圧倒的な情熱が圧倒的なエネルギーを産む

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脊椎の痛みを学ぶ会にて


福岡市で開催された
「第5回脊椎の痛みを学ぶ会 in 九州」
に参加しました。

管理人が勝手に敬愛しまくっている、
浜松医科大学整形外科教授 松山幸弘先生
の講演を拝聴するのが一番の目的でした。

とにかく情熱がすごい。
圧倒的でした。

松山先生のエネルギーが聴衆にどんどん注入されていく感じでした。
素晴らしいです。

主に成人脊柱変形の話でした。

骨盤パラメーター


PIに対してLLが減少してしまうと
矢状面バランスが崩れてADLが低下してしまうのですが、
それをいかに手術で適切にもどすか、という
今もっとも興味深いトピックです。

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NASSへGo

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またいずれかの機会で記事にしたいと思っていますが
昨年、
福島県立医科大学 臨床研究イノベーションセンター
が主催する
第2回 臨床研究デザイン塾に参加しました。
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衝撃でした。
大袈裟に聞こえると思いますが、
これまでの医師観が変わるくらいの感銘を受けました。

研修生活以外は大学外で過ごしてきた自分は
研究について考えたことはありませんでした。

わたしはほんとうに無学で、
臨床研究という言葉に出会うことなく、医師生活を続けていました。

素通り?無視?だったのかな?

「普段の臨床の中に重要な気付きがある」

一緒に参加した同僚と、
「自分たちの臨床の気付きをデザインして、
国際学会、国際論文にして発信してみよう」
という目標を掲げて福島を去り、一年がたちました。

そして、apply しました!

NASS; North American Spine Society
The Spine Journalを発行する脊髄病学で最も権威ある学会のひとつです。
2015年 Annual meeting @ Chicago
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結果は、、、

残念!!
ダメでした。

でもその行程で培ったものは、しっかり自分の今後に生きていくと思います。

しかし!!

同僚は、acceptされました!!
これは、ほんとうに嬉しいです。

先日、予演をしてくださいました。
自分たちが普段行っている、臨床のこと、その中で気づいたことが
NASSで発表できるというだけで、わくわくします。
論文にもしてくださると思います。

わたしも一緒に参加したかったですが、
同行は若手の後輩に譲って自分はお留守番をします。

頑張ってきて欲しいです。
そして後輩は、その雰囲気を刺激に、今後の臨床に役立てて欲しいです。
自分自身も今回の件を糧にがんばり続けることができます。


下記のおかげで、臨床研究の入り口に立つことができました。
推薦図書です。

臨床研究の道標 7つのステップで学ぶ研究デザイン / 福原俊一

★★★
管理人が医者になって最も感銘を受けました。臨床研究の入り口に立つために必読と思い、推薦いたします。

頚椎椎弓形成術用のインプラントについて

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今回は、
後縦靭帯骨化症 (ossification of the posterior longitudinal ligament: OPLL)
による圧迫性頚髄症の頚椎椎弓形成術
について記事にしたいと思います。

圧迫性頚髄症に対しては、
投薬や安静加療などの保存加療で改善が得られず
症候がどんどん悪化していくような場合では
手術加療が選択されます。

OPLLにおいては
K-lineを参考に、前方アプローチと後方アプローチとを考慮すると思います。
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頚椎椎弓形成術は後方アプローチの一つで、
片開き法あるいは観音開き法で椎弓を拡大形成して、頸髄の圧迫を除くものです。
それぞれの優劣に対する論文は数多くありますが、
管理人としては、得意な人が得意な方法で行うのが一番かな、と思っております。

わたしはこれまでの修練施設での経験から、片開き法が馴染みです。
慶應義塾大学の平林先生の手技で、多くの脊椎外科医にmodifyされ、
日本のみならず海外でもスタンダードになっている手術手技です。

これまで、hydroxyapatite spacerを用いていましたが、
外側偏奇しているようなOPLLに対して常に心配がありました。
外側塊と挙上した椎弓の間にspacerをはめ込みますが、
ツメによる内板のために、思ったほど拡大が得られないことがあるのです。
gutterやhingeを、より外側に設ける必要がありますが、
静脈叢の出血や、神経に対するheat injuryが心配です。
幸い大きなトラブルなく経過していますが、
OPLLは、非常にストレスフルです。

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なんとかできないかなと思っていました。
現在は、2013年9月から本邦で使用可能となった
Medtronicのcenterpiece™というインプラントを使用しています。
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チタンのプレート構造で、外側塊設置のツメが小さく、プレートは外側で椎弓と連続する構造なので
・HA spacerより、もっと外側の径で脊柱管の拡大が得られること
・スクリューでしっかり固定するので再狭窄やインプラントの脱転の心配が少ないこと
が特徴かと思います。

骨伝導についての賛否はあるかと思いますが、
いまのところOPLL外側偏奇型に対して使いやすい印象があります。
多少gutterが脊柱管内にあっても十分な脊柱管の拡大が得られるように思っています。
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しかし、centerpiece™で一つの椎弓を拡大形成するのに、
スクリューを3本使用しなければならず(メーカーの推奨)、
仮にC3-6の4椎弓形成した場合に使用するスクリューは12本!!で、
胸腰椎の5椎間固定に相当するインプラント費用が発生してしまうのは
医療経済的にどうかと思うんです。。。

硬膜外麻酔カテーテルチューブの切断

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先日関連病院から相談がありました。
TKA術後の硬膜外麻酔カテーテル抜去の際に
カテーテルが断裂して脊柱管内に遺残してしまったので
当院に転院して抜去してほしい、とのことでした。

初めてのことで少し驚きました。
わざわざ転院してもらわなくとも、自分が出向きますよ、ということで
万が一椎弓切除することになってもいいように、器具を準備して伺いました。

幸い、小切開でカテーテル先端をすぐに捉えることができました。
今後に活かしたい、と、麻酔科のDrが立ち会ってくださって
可能なら画像を撮像してもらえませんか、ということで
マイクロ顕微鏡下に撮像しながら抜去しました。

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XLIF導入の私見 初期症例の適応

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XLIF®
eXtreme Lateral Interbody Fusion
を自分たちの施設に導入して、半年くらい経過しました。

2013年くらいから本邦でも行われている低侵襲手術です。
小切開で後腹膜腔にアプローチし、
神経モニタリング下に大腰筋経由で椎体に到達します。

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ALLとPLLを保ちつつ、側方アプローチで非常に大きな椎体間cageを挿入します。
椎体間高を復元することができ、さらにligamentotaxisを期待できます。
その後、後方から経皮的に椎弓根スクリューを刺入するため
筋群に対する侵襲が非常に小さいです。

椎体間高の復元とligamentotaxisにより
coronal balanceやsagittal balanceの矯正にすぐれた威力を発揮します。

いきなり高度の後側弯症に導入するのはリスクがあるため、
導入にあたっての適応に関しての私見です。


腰部脊柱管狭窄症除圧術後の症例で、
経過で椎間高の低下やすべりなどの出現、悪化により
新たに椎間孔狭窄をきたして神経根性疼痛を生じた症例です。

これまではPLIFあるいはTLIFで対応しておりました。
再度後方の筋群にダメージを与えて、せっかく残っている関節を除去するわけです。
固定術なので関節を残す必要がないといえばそれまでですが、
後方筋群のダメージは遺残腰痛の原因でもあります。
とくに他施設での手術後の再手術では気を遣います。

XLIFでは後方の侵襲は経皮的PS刺入に留まります。
経大腰筋アプローチに伴う、大腿周囲の感覚障害や筋力低下など、
XLIF特有の症状もありますが、
前方にこれまでの後方アプローチと比較にならないくらい、大きなcageが入るので
椎体間高の整復に伴い椎間孔の狭窄も改善が得られます。
後方アプローチによる再手術より、関節や筋群に対する侵襲が少ないと判断し、
まず、このようなcaseでXLIFを導入しました。

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初期の導入の症例の適応に迷っているならば
腰部脊柱管除圧術後の椎間孔狭窄のサルベージ手術
がXLILF導入のひとつの選択肢ではないでしょうか。

NuVasive®のcertificationが必要なところが難点ですが、、、

ハングマン骨折の治療

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ハングマン骨折 hangman's fracture
は、C2椎体の骨折において2番めに頻度が高い骨折です。


ハングマンの由来


実際に原本を読んだことはないのですが、
1965年にSchneiderらがJournal of Neurosurgery 60で、
hanging=絞首刑 
後の損傷に外見上似ている、ということで
hangman's fractureと報告した、とのことです。

絞首刑、、、
すこし現時代的ではないというか、医療的言語ではありませんよね。

現在は、
骨折とあわせてC2-3関節面で転位をきたすため、
外傷性軸椎すべり
traumatic spondylolisthesis of the axis
という言い方が一般的になっています。

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学会出張はまるでこどもの時の遠足前夜のようにワクワクします。
・著名な諸先生の講演を聞くことができる
・治療判断に難渋する症例を相談できる
・志を同じくする仲間との懇親会で熱い気持ちになれる
・自分の演題に対する辛辣なご意見を賜る(これ、いちばん重要・笑)

このように普段の診療に役立つ刺激をたくさん得ることができます。

みなさんも感じておられると思いますが、
準備のときに邪魔くさいのが「靴」ではないでしょうか?

移動日や会場を出たあとの同志との懇親会においては
多少リラックスした格好で出かけたいものです。
靴がフォーマルすぎるとバランスが悪いし、
かといって発表の時にスーツとカジュアルな靴で参加するのは本末転倒ですよね。

わたしは、今はアウトレットで購入したリーガルのモンクストラップの靴を履いています。
底が厚くて、スニーカーみたいな履き心地が気に入っています。

なにかおすすめの靴があれば教えてほしいです。

リーガル モンクストラップ REGAL 04AR BD DBR ダークブラウン メンズ ビジネスシューズ セール 紳士靴
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頚髄硬膜外血腫に遭遇

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脊椎疾患での数すくない救急疾患


特発性脊髄硬膜外血腫は、数すくない脊椎救急疾患の一つです。
救急診療をしていればいつか確実に遭遇すると思います。

比較的まれな疾患であるため、脳卒中と診断されることもあります。

症例提示


当院に救急搬送された症例は50代の男性です。
パソコンで作業をしている際に
突然激烈な頚部痛を自覚し、
急激に右上下肢の麻痺を呈したために救急搬送されました。

まさに脳卒中様のエピソードです。
椎骨脳底動脈の解離に伴う症状が強く疑われるのではないでしょうか。

頭蓋内病変検索のため、CT、MRIを施行されましたが
とくに異常を指摘されませんでした。

脳幹部虚血病変においては発症直後には画像上明らかにならないこともあるため
症状のみで梗塞治療が行われてしまう症例も報告されています。

この症例は頭蓋内検索が済んだあとに、すぐに頚椎を追加で検索され、診断がつきました。
血腫除去のための緊急手術の準備をしつつ
症状を観察すると数時間の経過で改善傾向がありました。
そのまま保存加療を選択し、完全回復を得ることができました。

MRIは経時的に撮像したMRIでも血腫は徐々に吸収され、完全になくなりました。

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5日後
5日後

2ヶ月後
2ヶ月後


治療のうえでもっとも重要なこと


本症例のように、脊髄硬膜外血腫は早期診断、早期治療にて良好な予後が期待できる救急疾患です。
硬膜外血腫の多くは原因不明ですが、
最近では脊椎硬膜外ブロックや抗凝固剤の使用頻度が増したため、
増加傾向にあるとも指摘されています。

今回のように保存加療のみで改善する例もありますが、
・麻痺の程度がつよい(MMT 3レベル以上)
・膀胱直腸障害を呈している
・経過で増悪傾向にある
ような症例は緊急で血腫除去が必要です。

神経症状の改善は
治療開始前の神経症状
と、
治療開始までの時間
に依存するので
早期診断が重要です。
脊椎外疾患としての鑑別は脳卒中、大動脈解離などですが、
脳卒中様の症状を呈していても
・頚部痛を伴う症例
・感覚障害が脊髄パターン
であれば頚髄硬膜外血腫の可能性を念頭にいれて治療にあたる必要があると思います。

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