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合併症を経験し、とてもとても、落ち込んでいます。

基本的に、脊椎外科手術は、老化に伴う退行変性疾患を対象にしています。
悪性疾患のように生命に直結しているわけではありません。

日常生活動作のつらさとの天秤なので、長らく保存加療を選択する人もおります。

そして、何より手術を受けるにしても、わざわざ、わたしの手術を受けなくてもよいはずです。

なのに、わたしの手術を受けてくださるということは、わたしを信頼してくださったからに他ありません。

合併症を起こしてしまうと、頂いた信頼を裏切る形になってしまいます。

なんとか自分を奮い立たせようと、どうしても、どうやっても無理で、体が正の方向に動きません。


折しも、インストルメンテーション学会で、百折不撓のセッションがあり、勇気を頂きました。

しかし、家に戻ると、やっぱり無理で、いよいよ日常の生活にも支障が出てきました。

夜になると、涙がほろほろでてきて、眠れなくなって、、、
マイクロ下の術野がフラッシュバックして、寝入ったと思ってもすぐ覚醒してしまいます。

また涙がほろほろでてきて、眠れなくなって、翌日、患者さんに顔をあわせるのがとてもつらいです。


退院時に患者さんに「あなたを信頼して手術受けたんだから、そう頭を下げなさんな」とおっしゃられました。

本当は一番つらいはずなのに。。。
日常生活動作が不自由になってしまったのに、、、


それなのに、患者さんがわたしを慰めてくださいます。

そして、「これからも多くの患者さんを治療してあげてください」と。


ブログを更新できずにいると、たくさんの方から心配のお声をいただきました。

改めて多くの方に応援してもらっていることを感じ、感謝の気持ちがたえません。

このような合併症を他の患者さんに経験してもらわないようにするためにも、外科医の経験を情報で共有することは非常に大切なことだと思います。


今回救っていただいた患者さんのためにも、研鑽を積み、個人よがりにならないよう学術活動を続け、後続を育て、社会に貢献できるよう、頑張ることを誓います。


追記
たくさんのあたたかいコメントありがとうございました。
見えないところでたくさんの方から応援されていることを感じ、感謝のきもちでいっぱいです。
つきなみですが、本当にありがとうございます。