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MIStでは激しい破裂骨折に対しては矯正がなかなか困難なので
骨質のよい症例、とくに若年者であれば
シャンツスクリューを用いて矯正固定を行っていました。

ほんとについ先日シャンツスクリューを記事にしたばかりですよね。

MedtronicからSOLERA™のSASというスクリューをご案内いただきました。
SAS: Sagittal Adjusting Screw
スクリューヘッドの中に“スライドサドル”なるものが埋め込まれていて
そこが動いてロッドとつながるという代物です。

従来のPPSは、multi axial screwなので
スクリューヘッドの可動性を保つためには
すこし浮かせた状態で挿入を途中でやめなければなりませんでした。
挿入しすぎると骨と干渉してヘッドが動かなくなることがあるからです。
また、multi axialな分、ロッドの締結は容易ですが、
スクリューのヘッドが動くため力が伝わりにくく、矯正に不利でした。

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SASはヘッド内のスライドサドルが動くことで軸方向の自由度を得るため
スクリューが深く挿入されても何ら問題を生じません。

スクリューヘッドが動かないので、
矢状面の矯正においてcompressionやdistractionを加えるときに
正確な椎体のコントロールができます。

さらにこのシステムは径5.5や6.5の太い径のスクリューが使用できるところもよいです。

deformityの手術は行っていないのですが
外傷に応用できそうでした。

すぐに機会はやってきました。
Chance fracture、いわゆるflexion-distraction fractureです。
椎体圧潰、後弯変形あり、AO分類、B-2-3です。

下肢には軽度感覚障害を自覚していますが、麻痺はありません。

後方のlong fusionか、前方後方の、後方short fusionか、
という選択が一般的のように思えます。

SOLERA Longitude systemを用いて
経皮的スクリューのsystemではありますが、
subfascialに筋間からアプローチすることで操作性を高めました。
エクステンダーでロッドを落としこんでいき、
実際にサドルがスライドして、容易にロッドとスクリューが締結できました。
側面透視で確認しながらdistraction forceを加えて
前弯矯正を加えつつ固定しました。
HA blockで椎体形成も行いました。

下肢しびれは術後に消失し、翌日から歩行開始となりました。
このまま骨癒合がえられて、将来抜釘することで
motion segmentの温存も可能となります。
個々の損傷形態によっては
従来のシャンツを用いたPLFとはまた異なる治療のオプションになりそうです。

当然のことではありますが
矯正損失や椎間板機能不全など
慎重にフォローしていきたいと思います。

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