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本日は医原性の腰椎分離症についてです。
医原性というだけに手術が原因です。
患者さんにとっても術者にとってもイタイ話になります(涙)。

症例提示


症例は50台の男性です。
L4/5にMIS-PLIFして、L3/4に片側侵入両側除圧の椎弓切除を施行しております。

術後3ヶ月目の検診の時でした。

1ヶ月目の時は調子はまずまずでしたが
3ヶ月目の時は左側に腰痛の訴えがありました。
診察日を早めるまでの痛みではなかったので、予約日まで待たれていた、とのことでした。

CTを撮像するとL3の左下関節突起がisthmusの部分で骨折しています。

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腰痛の原因と判断し、
日中はコルセットを装着してもらい
回旋や前屈などの腰椎の動きを控えてもらうようにお願いしました。

その3ヶ月後、術後でいうと6ヶ月後のCTです。

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なんとか癒合が得られました。
腰痛も改善していて、社会生活に復帰できました。

医原性分離の予防策


医原性分離を来さないためには
・椎弓の切除範囲は関節頰部から5-7mm以上残すとか、
・椎弓の1/3以上残す
というのが一般的です。

正中縦割法であれば左右均等に椎弓切除が可能ですが
片側侵入法では、侵入側を過分に掘削しがちです。
注意が必要です。

管理人が考える診断のポイント


診断のポイントとしては、
術後に腰痛が再燃した場合は
術後だから、そんなもの、と静観せずに腰痛の性状を診察することだと思います。

個人的には
①椎間関節付近の圧痛がある
②後屈で悪化する腰痛
③Kemp肢位で誘発される腰痛
などあれば
腰椎CTを撮像して、医原性分離の有無をチェックしています。

MRIでは医原性の分離は見逃されるかと思います。
かといってXpでは詳細な評価ができません。

分離が治癒しなければ、将来的に手術の追加を余儀なくされるケースもあるので
術後腰痛の訴えがある場合は、症状によってはCTを撮像することが大切だと考えます。

この症例に関しては掘削しすぎということはないと思うのですが、、、
下位にPLIFを施したのが負担になったのかもしれません。