カテゴリ:
スポンサードリンク
XLIF®はlateral approachで行う腰椎の低侵襲椎体間固定術です。

メリットとデメリット


「ダイレーターを用いて大腰筋の筋層をsplitしてレトラクターを挿入して筋組織を牽引する」

後腹膜腔経由で大腰筋に入って椎間板にアプローチするため
最も大きなメリットは、大血管や、尿管を守ることになるのですが、
術後にアプローチ側(主に左)の大腰筋に症状が出現してしまうことがデメリットです。

術中は神経を損傷しないように、運動神経専用のモニタリング装置でチェックします。
ただし、感覚神経や直接的な筋のダメージについてはモニターできないので
開創器が入ったら、
「なるべく早く手術を完遂し、牽引圧迫の時間を短縮する」
ことが一番の回避策になります。

MRIでの2症例の比較


文献的には約20%程度の割合で大腿周囲の筋力低下や感覚障害の訴えがあるとのことです。

また症例が10例超と少ないのでなんとも言えませんが、
1例に術後左大腿が持ち上げにくいとの訴えがありました。

001


術後の7日目のMRIですが、
大腰筋の炎症、血腫や腫脹などの損傷はacceptableと考えました。
むしろ対側(右)の損傷のほうが大きいように感じます。
これは、コブで対側の椎間板線維輪を貫通させた影響です。

この患者さんはリハビリして1週間くらいで左右差なしの評価になりましたが、
訴えは2週くらい続きました。
(もともとの下肢痛、下肢しびれは軽減し、歩行に対する満足度は高いです)

一方で、次の症例は側弯による狭窄、アライメント不良の方を
XLIF3椎間固定を行った患者さんの術後MRIです。

001


大腰筋に広範な血腫が貯留しておりました。

ところが、この方はまったく左大腿周囲の訴えはありませんでした。
こちらから突っ込んで質問しても問題なし、とのことでした。

何が違うのだろうか


う〜〜ん。。。
血腫や炎症、筋の腫脹などの変化は当然、患者さんに悪いカタチで現れますが、
筋力低下の訴えは、それのみではないのかもしれません。

この2例で明らかに異なるのは術前からの大腰筋の容積です。

実は、1例目の方は、他院で2回腰椎手術をうけています。

医原性分離症による不安定すべり症、
そしてlaminectomy membraneや残存黄色靭帯肥厚や線維軟骨形成による再狭窄
すべりにより脊柱管のみならず両側の椎間孔の狭窄もきたしており
痛みにより歩けない期間が非常に長かったため、
両側の大腰筋は廃用性萎縮も生じているものと考えます。

そのような薄い筋肉にアプローチしたからでしょうか?

引き続き、慎重に評価して、なにか術前から予測できる因子がないか
注意しながら診療に臨んでいこうと思います。