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近隣の整形外科に約3週間入院していて、
まだ痛みが十分によくならないうちに退院させられた、
ということで
自宅退院して、まだ1週間も立たないうちに
当院の外来を初診されました。

80台の女性の方です。
尻もちをついた後に
痛みで体を動かせない
ので入院加療となったそうです。

その時のレントゲン検査の結果、
第2腰椎に陳旧性の骨折があって、
今回は第3腰椎が新規に骨折している、
という診断でした。

初期は
「痛くてまるで動けない。
腰背部から臀部までが痛くて、
体動時の痛みが激しくて寝返りもできない」
というものでした。

3週間の安静加療の経過で
・体動時の痛みはまあまあ改善した
・腰背部はあまり痛くなくなったが、
臀部に限局してきて、ぜんぜん痛みがよくならない
・座位は数分で困難、臀部が痛くてどうにもならない
・むしろ立位だとまし
・よって食事は立って食べている
という性質のものに変わってました。

診察上の特徴は
臀部に叩打痛あり
・下肢症状や膀胱直腸障害はない
というものでした。

腰椎CTに加えて、骨盤のCTを撮像しました。
案の定、仙骨骨折を認めます。
S2レベルで横に、両側仙骨翼レベルで縦骨折。
恥坐骨にも骨折があります。
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そうです。
仙骨骨折は診断がむずかしいんですよね。。。
仙骨の脆弱性骨折は、診断に苦慮することはいくつも報告されています。
高齢者は必ずしも自覚症状が仙骨部にあるわけではなく
「股関節痛」とか「腰痛」とか「臀部痛」とか「下肢痛」
などのような訴えのことも多いからです。

とくに
今回のように腰椎椎体骨折を合併していると、
腰椎にも痛みの原因があるわけですから
それ以上検索にいかない、
まして骨盤が骨折しているところまで念頭においていない
といった面もあるかと思います。

今回の症例は、
・臀部に痛みが限局してきた
・座位だと臀部が痛くてすぐ座れなくなる、
かといって、立位でつらいわけではなく、むしろ立位が楽
・尻もちをついて臀部を打撲した
などという話が聞けたので骨盤に何かありそうだ、と思えました。
あとからだと何とでもいえます。

では、全例、最初から骨盤までCTあるいはMRIを取りますか?
ということになるのですが、、、
この種の骨折はレントゲンで全例判断がつくわけではないので、
尻もちをついたことがわかっているならば、
脆弱性骨折を判断するためには、
全例撮像するより方法はないのではないでしょうか。
実際、それでも判断が付かないこともあるわけで、
痛みが思うように改善しない場合は、
日をあらためてMRIを撮像しています。

どの施設にも同じスタイルを求めることはできませんが・・・

わたしが所属するような施設では、
苦しい思いをしながらも、診断が遅れてしまう患者さんが多く来院されますので、、、

今回の患者さんの加療は
当面は、コルセットで、PTHを併用して
慎重にフォローすることとしました。
なんとか元気になってもらって、元の生活に戻れるように支援していくつもりです。
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