画像からではなく症候からのアプローチを。
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外勤に来ています。この施設には
脳神経外科も、整形外科も標榜されていますが
いずれも脊椎診療を行う専門医がいないため、
毎回、さまざまな相談が来て、スリリングです。
今回は、
「頸髄損傷による四肢麻痺」
ということでコンサルトがありました。
起床後より手足に力がはいらず、救急要請され入院
というエピソードでした。
脳神経外科が担当され、
とりあえず頭蓋内MRIをとったが問題なし
そのまま頚椎MRIを撮像したところ、
頚椎狭窄による著明な頸髄の圧迫あり
これだろう、
ということでした。
単なる退行性変化で、外傷のエピソードもないのに
目が覚めて急に四肢麻痺になっていたら本当に怖いですね。
わたしたちはこの恐怖と向い合って
経年変化を受け入れていく、ということになるでしょうか。
ならないですよね(笑)。
診察してみると
上肢の挙上から、下肢の運動まで脱力があって、
確かに四肢麻痺です。
左右対称で、近位も遠位も全体的な筋力の低下です。
segmentalに低下しているわけではありませんでした。
すでに頚椎の画像があったので、拝見したのですが、
狭窄はC5/6レベルにあります。
上肢挙上ができないのは明らかに画像と解離しています。
そして、感覚の障害がないことも特徴でした。
外傷なく、目が覚めて頸損になるくらいなら、
すでに感覚の障害やmyelopathy handなどの所見もありそうですが
しびれを含め、そのような症状はありません。
深部腱反射は上肢下肢ともにhypoでした。
頚椎MRIをみると、たしかに頸髄の圧迫は強いですが
それ以上に目を引いたのは、甲状腺の著明な腫大です。
患者さんに聞くと、甲状腺の治療歴があります。
カリウムは3.5mEqで正常下限でした。
外勤であるためそれ以上のことはできませんでしたが、
頸髄の圧迫は著明ですが、
今回のエピソードは周期性四肢麻痺や甲状腺関連のmyopathyではないか
まず甲状腺加療の詳細の把握と、ホルモンバランス、電解質バランスの評価、是正を。
とコメントしておきました。
次回の外勤まで答えは持ち越しです。
きっと、脳神経外科医全般に言えることではないのでしょうが、、、
症候を無視して、
とりあえず頭蓋内のMRIを撮像して
「頭に問題はないから残りは整形外科へ行くように」
というアプローチをしていては、
整形外科とともに脊椎診療を行っていくことは難しいように思えます。
とりあえず頭蓋内MRIをとったが問題なし
そのまま頚椎MRIを撮像したところ、
頚椎狭窄による著明な頸髄の圧迫あり
これだろう、
ということでした。
単なる退行性変化で、外傷のエピソードもないのに
目が覚めて急に四肢麻痺になっていたら本当に怖いですね。
わたしたちはこの恐怖と向い合って
経年変化を受け入れていく、ということになるでしょうか。
ならないですよね(笑)。
診察してみると
上肢の挙上から、下肢の運動まで脱力があって、
確かに四肢麻痺です。
左右対称で、近位も遠位も全体的な筋力の低下です。
segmentalに低下しているわけではありませんでした。
すでに頚椎の画像があったので、拝見したのですが、
狭窄はC5/6レベルにあります。
上肢挙上ができないのは明らかに画像と解離しています。
そして、感覚の障害がないことも特徴でした。
外傷なく、目が覚めて頸損になるくらいなら、
すでに感覚の障害やmyelopathy handなどの所見もありそうですが
しびれを含め、そのような症状はありません。
深部腱反射は上肢下肢ともにhypoでした。
頚椎MRIをみると、たしかに頸髄の圧迫は強いですが
それ以上に目を引いたのは、甲状腺の著明な腫大です。
患者さんに聞くと、甲状腺の治療歴があります。
カリウムは3.5mEqで正常下限でした。
外勤であるためそれ以上のことはできませんでしたが、
頸髄の圧迫は著明ですが、
今回のエピソードは周期性四肢麻痺や甲状腺関連のmyopathyではないか
まず甲状腺加療の詳細の把握と、ホルモンバランス、電解質バランスの評価、是正を。
とコメントしておきました。
次回の外勤まで答えは持ち越しです。
きっと、脳神経外科医全般に言えることではないのでしょうが、、、
症候を無視して、
とりあえず頭蓋内のMRIを撮像して
「頭に問題はないから残りは整形外科へ行くように」
というアプローチをしていては、
整形外科とともに脊椎診療を行っていくことは難しいように思えます。
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