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腰椎のrevision surgery


MOB;multiple operative backです。
他院で4回もの手術を受けております。

腰椎のrevision surgeryで
多椎間固定、腰仙椎の固定を考慮せざるを得ない状況です。

固定範囲は判断に迷うことが多いですよね。
腰椎多椎間固定を行う際S1を尾側端にすると
仙骨の支持力が十分でないので
S1のスクリューの緩みや偽関節が生じてしまうことが心配です。

S1 pedicle screwに、腸骨スクリューを用いて尾側端のアンカーにする
強力な固定力が得られます。

LSITによるiliac screw刺入


以前大学病院の手術見学に行った際に、
腰仙椎腸骨固定をLSITで行っておりました。
「Low profile S1-Iliac trajectory (LSIT) による腰仙椎固定術
中道清広ら:JSR. 4(10): 1505-1508; 2013」


非常に低侵襲で、S2 Alar Iliac screwのように連結も容易であることを教わりました。
よってこの症例に対して
S1 Pedicle screwとLSITによる腸骨スクリューを刺入して
腰椎固定部位と一直線で連結しました。
腸骨スクリューはφ7.5✕50mmとしました。

手術時間は4時間40分と、不慣れなところがありましたが、
術中のストレスは、ほとんど感じませんでした。
出血は吸引が60cc、ガーゼが60ccと
revision surgeryにしては低侵襲で済んだと思います。

LSITの大切なポイント


LSITのポイントはSAI screwにも通じるところですが、
やはり
スクリューの刺入前に、刺入点をしっかり確認しておくこと
に尽きます。

刺入点は、
仙椎と仙腸関節から急峻に立ち上がってくる腸骨の腹側
です。
この方法では、腸骨の刺入点の皮質骨を温存できるので固定力を高めることができます。
何よりも腸骨の腹側部分に刺入点があるため、low profileであることが最大のメリットです。
さらにスクリューヘッドを頭尾側方向に一直線で並べることで
ロッドの連結が一直線で可能なところが簡便です。

初回だったので、透視を用いて確認しました。
側面透視
S1のPSはS1のendplateに平行に刺入することで
LSITのISのスクリューヘッドが干渉しないことを確認

正面透視
腰椎からのスクリューが一直線になるように確認
(目視でも確認しましたが、あえて正面透視でも確認しました)

そしてS1 PS →ISの順にスクリューを刺入しました。

まずまずの仕上がりと思っています。

SAI screwに、LSITでのiliac screw、あるいは通常の腸骨スクリュー。
それぞれに通じておくと、症例に応じて、open、mini-open、経皮的手術などを
考えながら柔軟な対応ができると思います。

写真はMedtronic CD Horizon®SOLERA™のカタログより
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