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脊椎外科領域で出す処方は、そんなに多くのパターンがあるわけではありません。
薬についてよりも、湿布に代表される外用剤についてはよく質問されます。
最近は1回の処方に対する湿布の枚数が多すぎる?とレセプトでチェックされるなんて話も聞きます。

「そんなにたくさんの湿布は出せませんよ、、、」

すると、よくある患者さんの質問
「市販の冷湿布と温湿布どっちが効きますか?」
に対してですが、

実際どうでしょう?

わたしなりの考えをまとめます。

それぞれの湿布が本当に患部を冷やしたり温めているかと言われれば、
実際そうでもありません。

冷湿布も温湿布も基本的には本人の肌の感じ方と思っています。

・冷湿布には清涼感(あのスースーした感じ)を高めるように
メントール
(ハッカ)

・温湿布には温かさ(ヌクヌク?ヒリヒリ?)を感じるように
カプサイシン
(トウガラシエキス)

このように、冷感や温感を感じるようにサリチル酸やカプサイシンで皮膚を刺激しているだけで、
実際に冷やしていたり、温めたりしているわけではありません。
この皮膚の刺激感で、痛みが和らいだ?遠のいた?ように感じる、といったところだと思います。

だから最終的には個々の好みというか、気持ちいいと感じるほう、快適と思うほうを選んでもらっています。
いうなれば、使い心地がよいもの、ということです。

「どっちも同じです、使い心地がよいほうを選びましょう」

あんまりストレートにこのように話すと
なんだか、がっかりされてしまいます。

例えば、
「仕事やスポーツの際の急な腫れや、熱感があるような急な炎症は冷感成分の湿布
慢性的な肩こりや腰痛で、入浴で改善するようなものは温感成分の湿布」
と痛みの性格をわけてお話すると患者さんはわりと納得してくれます。

ただ、冷湿布のサリチル酸は刺激がありますよね。
あの冷湿布独特のにおいを強烈に感じる人もいます。
温湿布はかぶれやすいし、においも強い、、、
なかなかいろいろです。

で、私たちが処方する、冷感湿布(ケトプロフェンやロキソプロフェン、ジクロフェナクなど)です。
これはサリチル酸のような皮膚刺激でなくて、鎮痛作用、抗炎症作用がしっかり期待できます。
ここ最近では、ロキソニン兄弟やボルタレン兄弟は市販でも購入できますが、、、

その中でしっかり注意しておきたいのは光線過敏症です。

ケトプロフェン(モーラス®、エパテック®、ミルタックス®など)は紫外線に反応し光線過敏症を起こしやすいので処方の際の説明に気を使います。
(もしかして処方しないほうが、手間が少ない?ただモーラス大好き患者もいる)

ロキソプロフェン(ロキソニンテープ®)は比較的少ないとされます。

あと、テープよりは水分を含有しているパップの方が肌に刺激が少ないと言われています。
また水分を含んでいる分、蒸発による冷感が強いとも言われています。

う〜ん、なんだか誰に何を伝えたいのかわからないような記事になってますね。
すみません。
研修医の皆さんへ、
かな。

まとめ


普段の市販の冷湿布と温湿布では、あまり大きな違いを見いだせておりません。
自分が処方するときには、ケトプロフェンの処方には十分気をつけています。