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わたしたちは椎体骨折の診療にあたることが多く、骨粗鬆症の加療を行っております。

骨折のリスク評価に、
・骨密度測定(BMD: bone mineral density)
・既存骨折の有無、
・年齢
・転倒リスクの有無
・骨代謝マーカー
などが挙げられます。

骨密度について


今ではほとんどの施設で骨密度BMD定量測定が可能です。

BMDは単位面積または単位体積あたりのミネラルの量で示されます。

骨粗鬆症の治療において、
BMDは治療経過をチェックしていくための簡便な目安の一つなんですが、
たとえ同じBMD値でも、個人個人で骨の代謝状態が異なるため、病的な意義も異なることが欠点です。

また、たいてい一年後くらいの間隔の変化をチェックするため、
効果判定までに比較的長い期間を要します
よって、骨粗鬆症の治療は、
・地道な作業
・長い長いお付き合い
が必要なんです。

判断に時間がかかると、こんな弊害がでてきます。
・患者さんに治療効果が得られているかどうかを示しにくい
・結果、治療継続の意義を提示しにくい

骨代謝マーカーについて


そこで骨代謝マーカーです。
1~3ヵ月あるいは6ヵ月くらいで、
ある程度の評価が可能なのです。

骨代謝マーカー測定の意義は大きいです。

骨は
新しい骨を作り、古い骨を壊す
という新陳代謝を行っています。
新しい骨を作るのが骨芽細胞で、古い骨を壊すのが破骨細胞です。

骨のリモデリングといいます。

骨のリモデリング機序において骨コラーゲン代謝が理解されるようになってから、
コラーゲン代謝に関わる産物を定量する骨代謝マーカーの新規開発がなされました。

その結果、骨代謝回転を評価できるようになりました。

骨芽細胞や破骨細胞に特異的な酵素活性を測定することで骨代謝をチェックできるのです。

つまり、
骨芽細胞が新しい骨を作っている様子を測るマーカーが骨形成マーカー
破骨細胞が古い骨を壊している様子を測るマーカーが骨吸収マーカー
ということになります。

わたしは骨粗鬆症の加療経過として、
・DXA、
・本人のADLの変化
・画像での既存骨折の有無、数
・骨形成マーカーとしてP1NP
・骨吸収マーカーとしてTRACP-5
などを評価しています。

さいごに


骨粗鬆症患者さんは、3000万人を超えており
今後の高齢化社会で、ますます問題になっていくことはもはや確実です。

骨粗鬆症は自覚症状に乏しいため、
よっぽど健康意識が高くないと自分でチェックすることは皆無です。

病院を受診するきっかけは、痛みです。骨折です。

椎体骨折や橈骨、大腿骨の骨折をきたして受診されても
この時点で一次災害が起こっております。

本来は、骨折を来す前に加療を行いたい。

啓蒙していくことが重要ですね。

今度は、骨代謝マーカーについて掘り下げていきたいと思います。








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