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はじめに


脊椎損傷の約90%は、胸腰椎損傷です。
多くの考え方、分類があります。

以前の記事
椎体破裂骨折、胸腰椎損傷についての分類と考察

今回は刷新された新AO分類についてまとめます。

旧AO Magerl分類


旧AO Magerl分類
001


これは正確といえば正確なのですが、分類が細かすぎて覚えられません。

実際、再現性が乏しいこと、複雑すぎるのが欠点でした。

新AO分類


2013年にVaccaro先生が提唱しています。
002


まず骨折形態を
Type A : compression injury;圧縮力による前方要素の損傷
Type B : distraction injury;伸延損傷による後方あるいは前方のtension bandを含む損傷
Type C : translation injury;脱臼や転位を伴う全要素の損傷
に分けております。

この大分類には大きな変化はありません。

Sub typeとして
003

A0-4
A0 : minor, non-structural fracture
A1 : wedge-compression
A2 : split
A3 : incomplete burst
A4 : complete burst

B1-3
B1 : transosseous tension band disruption (Chance fracture)
B2 : posterior tension band disruption
B3 : Hyperextension

に形態的に分類しています。

このsub typeがある程度わかりやすく単純化されました。

分類を診断するためのアルゴリズム


そして、さらに分類のアルゴリズムを提唱しております。
004


重症度を反映するように神経症状をgrading


さらに神経症状などの状態を加味して
神経症状をgradingしています。

006


つまり旧AO分類の細か過ぎる部分と、TLICSで重症度を加味した部分の
いいとこどりのようにしたのです。

TL AOSISでポイント化


2016年にポイント化し、6点で手術適応としております。
005


本日のまとめ


以上、新AO分類と、TL AOSISをまとめました。
今後メインストリームになっていくのでしょうか。

これからの学会発表や論文の展開に注目していきましょう。

★★★★★
星地先生の経験と知識が余すところなく収められております。教科書らしくない教科書で、非常にわかりやすい!そして、なにより面白いです。絶対に一読すべきテキストです。