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はじめに


高齢化社会や易感染性宿主の増加により
化膿性椎体椎間板炎や腸腰筋膿瘍などの感染性疾患も増加しております。

腸腰筋膿瘍を加療する機会がありましたので雑感です。

ズバリ
腸腰筋膿瘍は、何科で治療されるのか
という事です。

腸腰筋膿瘍は何科になるの?


さて腸腰筋膿瘍は、何科が加療するのでしょうか?

わたしの私見では、正解は
何科、っていうのはなく病院の組織力、です。

先にも述べたようにcompromised hostの増加により

例えば
膠原病/リウマチ科などでは長期ステロイドが処方されていたりして
その科で抗菌薬加療されていたり

担癌患者で化学療法中であれば
外科で加療されていたり、、、

患者さんの背景が多様化していて、
何科で特異的、ということではないんですよね。。。

経験はありませんが、いわゆる流注膿瘍で、結核が原因だったら
結核専門家に委ねなければならないでしょうし。。。

ただ、筋の病変、ということで
運動器専門の整形外科が主治医で加療する機会がやっぱり多いのかな。

不得意な全身管理が必要


腸腰筋膿瘍と診断がついたときは、
全身状態がもともとよろしくない上に、
感染を起こしてさらにデータが悪化しているようなケースが圧倒的多数です。

たいてい一次診療圏で加療されていて、
改善がえられない精査加療よろしく、
的な紹介経路がほとんど。

血液検査では、異常高値を示す赤数字、異常低値を示す青数字ばかり!!

正常黒数字は?って叫びたくなるような画面になっています。

治療は単純に抗菌薬投与というわけにはいかず、
輸液、栄養、貧血、電解質バランス、腎機能、肝機能、呼吸機能
嚥下、褥瘡、下痢便秘管理など
何かと、きめ細かい全身管理が必要です。

全身管理が得意な科は??
整形脊椎外科は得意??

いやあ、得意ではないです。
むしろ不得意ですよね(涙)。

結果、内科の先生や外科の先生に全身管理のアドバイスを乞いながら加療することになります。

だからこそ良好な組織、関係をつくっておかなければなりません(笑)。

菌の同定


治療は
適切な培養で起炎菌を同定、標的に感受性ある抗菌薬で退治
という事に対しては論をまちません。

血液培養は必須です。
しかし、菌を検出するには、やはり直接膿瘍を採取したいところです。

どう膿瘍を排泄していくか。

実はこれが結構、何科がする?的な印象があります。

放射線科でCTガイド下にドレナージしたり
外科で腹膜外アプローチによるドレナージしたり

脊椎科にも、CTガイド下にドレナージする先生もいますし。

わたしはC-arm2面用いて腹臥位でドレナージです。

菌を直接穿刺培養し、菌量をへらし、血行を促し、
戦いの開始です。

本日のまとめ


腸腰筋膿瘍は感染を引き起こした患者さんの背景によっては
主治医の診療科が異なることもあるでしょう。

ですが、単科で加療するのではなくって

内科、外科、放射線科、整形外科
などで連携をとりながら加療していく、

腸腰筋膿瘍は、そんな疾患です。

それはつまり
その病院全体の診療力でもって戦う
という事ではないでしょうか?

今回わたしの方で加療することになったのは
L1椎体骨折内のクレフトに感染を引き起こして
両側腸腰筋に膿瘍が波及しているものと思われた症例です。

全身状態、当然、悪いです。
負けるかもしれない、、、でも諦めたらいけません。

椎体と膿瘍をドレナージして戦いに挑みました。

なんとか1週、2週と経過し、感染制御がついているかな。。。

しかし次なる問題が。

感染した骨折椎体は骨が融解壊死して、とても座位をえるための支持性がない
ということです。

まずは全身状態、炎症反応のタイミングを伺い、
long MIStを施行しようと思います。

戦いは長い。。。