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はじめに


異動にあたって始めた当ブログ。

日々の気付きをとぜんなるままポストしています。

タイトルの、とぜん、とは管理人の出身の鹿児島弁のひとつ。
わびしい心境というかさびしい雰囲気、みたいな意味です。

漢字では徒然、と書きますので、
方言?なのか、
徒然草にある、つれづれなるままに、、、という言葉がそのまま残った?
のかは、わかりません。

今朝ブログを開くと、突然のアクセス数にびっくりして
何が、どうして?

と思いましたが、検索ワード、#XLIF、が上昇しており
いたましいニュースによる世間の関心の現れ、と理解しました。

LLIF(X or O)の特徴


ニュース
「腰椎の手術で腸管を損傷したため敗血症で死亡」
が理由でしょう。

手術エキスパートの集団なのに、、、なぜ?

ニュースのタイトルのみでは詳細ははっきりしませんが、
内容からは、度々当ブログでもポストしているXLIFのことだろうと思います。

もうひとつ、OLIFという類似したアプローチがありますが、
わたしは手術の性格から、XLIFのことだろうな、と思っています。
(この手のニュースを追いかけて掘り下げていくことはしておりません。)

XLIFもOLIFもいずれも低侵襲手術に分類される術式で
・創が小さいため回復が早いこと
・後方の筋群の切開が不要
(症状の残存や目的とする変形の矯正ぐあいによっては
直接後方からアプローチが必要なことも)
・おおきなケージが入るため、脊柱変形の矯正が得られること

こういった利点が得られる、しかも低侵襲で!
ということで急激に症例数を伸ばしてきた流れがあります。

低侵襲=安全か?


わたしはXLIF以外にも低侵襲手術;MIStを積極的に導入しています。

しかし低侵襲=安全ということではないため

当ブログでは、経験の浅いわたしが学んだことを、ひたすらポストしています。

低侵襲法は切開が小さいため、視野にランドマークがない分、透視の読画力が問われるわけです。
術中の読影もさながら、術前の画像の評価、計画が重要です。

場面が違うとまた異なる視点での気付きや学びを得ることになるため
同じような内容でもそのときの良かったこと、冷や汗をかいたこと
なんでもいいから感じたこと、思いをひたすら投稿しています。

XLIFにおける低侵襲性と安全性


XLIFはその低侵襲性のために(切開が小さいことが低侵襲とは限りませんが)、
何が危なかったのか、わからないまま手術が完遂されてしまう
という危惧があります。

後腹膜腔の理解が重要であることは論をまちませんが
切開が小さくて見えないのですね。

だから安全性に関しては従来のオープン法に軍配があがると思っています。

直接視野の中で確認できるからです。

ただし、術中術後の出血量や創治癒遅延、感染発生に関しては
明らかに低侵襲法が優れているのはおおくの術者が実感されていることとです。

まとめ 低侵襲手術の功罪


従来のオープン手術だろうと低侵襲手術だろうと
安全な手術施行のためには解剖の理解が不可欠です。

ただ、低侵襲手術は、直接切開しない分、より慎重な理解が必要と感じています。

今後、低侵襲手術はどうなっていくのでしょうか。

合併症で致命傷を受けるなら、低侵襲ではない、と批判のもと衰退してしまうのでしょうか。
従来のオープン法に先祖返りしていくのでしょうか。

しかしオープン法での合併症で致命傷となった場合はどうなるのでしょうか。

手術そのものがなくなってしまうのでしょうか。

わたしはXLIF userです。
低侵襲手術法のMISt術者です。

自分の親が患者だったら?
その視線で習得してきた技術です。

低侵襲法だから起こりえる合併症の理解に努め、
より安全な低侵襲法となるよう工夫を実践していきたいです。

心よりご冥福をお祈りいたします。

合併症ゼロを目指します。

そして今後も地域医療の発展に尽くします。