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はじめに


本日は、ほんとにちょっとしたことなんですが、感動を覚えました。
まず写真からです。
これ、なんの写真かおわかりでしょうか?
そして、この写真の何に感動したのでしょう?

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瞬時にわかられる方は、かなり頸椎手術をこなされていますね!!

この写真、正解は、X線透過のカーボン製頭蓋3点固定支持器の接続部分です。
Radiolucentで放射線透視を用いても術野を邪魔しません。

メイフィールド頭部固定装置について


頭部3点固定支持器は、メイフィールド頭蓋固定具ともいわれ、
術場では「メイフィールド」と呼称されることが多いです。

メイフィールド頭部固定装置はその名の通り、
脳神経外科医、Dr. Frank Mayfieldが開発された頭蓋固定器具です。

1968年のことらしいので、50年近く頭部固定器具のゴールド・スタンダードとして君臨されているわけです。
患者のポジショニングに必要な自由度の獲得と、安定した頭部固定の提供という非常に重要な役割があります。

よって通常は、頭部固定が必要な頭蓋の手術で用いられます。
術中にX線を用いる必要があるような場合にカーボン製のメイフィールドが用いられるわけです。

つまり血管造影が必要であったり、X線透視での確認が必要であったりする場合です。

頸椎手術で固定具が必要な場合


頸椎手術においても頸椎が動かないように、
メイフィールドを用いて頭蓋を固定する場合がほとんどだと思います。

わたしは頸椎手術は全例、用いています。
除圧のみであれば用いない施設もあるかもしれません。

頸椎固定を行ないたいときは必須の処置です。

固定術には側面透視のみならず正面透視も用いたいです。
あるならば、O-armなどのナビゲーションも用いたいです。

そのような場合、金属製の固定器具であればX線透視の妨げとなってしまいます。

よって頸椎手術においてもカーボン製の固定具は有用、というかわたしには必須なのです。

当院にはO-armはございませんので、X線透視を綿密に合わせながら、慎重に慎重にがんばっています。

ニーズに応えること


それで、この写真の本題なのですが、よく見ると、色分けされています。
青色のねじと黄色のねじ。

じつは、これ、初期の固定具にはなくて、改良された部分なのですね。

従来の製品ですと、まったく同系色だったので、
手術が終了して分解され洗浄されると、
次に組むときに、たいていわからなくなるのがいつもの難点でした。

毎回写真をとって、撮りためておいても、やっぱり次の組み立てに時間がかかる。

扱ったことのない人には、絶対に組み立てられません!!

メーカーの取説を熟読したわけではありませんが、
とにかく、部品、パーツが似通っていてわかりにくい!!
そんな現場の声を聞いてくれたのでしょうね。

この固定器具、脳外科のほうで購入されたそうですが、
じつは脳外科では一回も用いられたことはないようでした。

よって、当施設初の頸椎固定術だったので、組み立てきっとわからないだろうな、、、と思い、
前日に手術室に赴いて組み立てようとしたら、
なんてわかりやすい設定になっていたのか!
おもわず感動して、撮った一枚でした。

本日のまとめ


現場の声に耳を傾けること。
あらゆるシーンで重要ですね。

あったらいいな、こういうふうに変えればいいな、、、

そのようなアイデアを出せる人こそ、真摯に仕事をこなしている人であり、
大切にしていきたい人ですよね。

自分もそのような目線で頑張りたいと思った次第です。