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はじめに


本日は、骨粗鬆症についての勉強会からです。

骨粗鬆症は全国で約1300万人と推定されています。
そして、大腿骨近位部骨折は1年間で19万件に達します。

骨粗鬆症性椎体骨折の発生数は、
大腿骨近位部骨折に比べて当然多いと予想されます。

しかし、
・無症候性に骨折している
・痛くても「歳だからそんなものか」と気合と根性で乗り切って医療機関を受診しない
などあり、正確な発生数が未知数なのです。

さらにいえば、骨折の程度も
・完全に潰れるようなものもあれば
・少しだけ陥凹している程度のもの
もあって、どこまでを骨折と診断するのかも
なかなか施設によって、読影者によって異なり
標準化されにくいのではないでしょうか。

骨粗鬆症性椎体骨折は、とにかく多い


外来診療をしていると
とにかく、多いです。
初回にかぎらず、2回め、3回め、4回め以上、と
ほんとに枚挙に暇がありません。

外傷の既往がなくとも
本人の骨折のエピソードが不明な場合も非常に多くあります。

イーライリリーのCMで某女優さんが、
「いつの間にか骨折」
と言っておりますが、まさにその通りだと思います。

まず骨密度測定を行ないましょう


まず一番目にすることは、
ぜひ、骨密度測定を行ないましょう。

適切な医療機関で、DEXAでチェックすることをおすすめします。

DEXAはdual-energy X-ray absorptiometry
のことです。

骨密度検診でもっとも信頼がおける検査です。
装置の大きさにより一般クリニックではなかなかできません。
簡単にいえば2種類の異なるX線を照射して骨と他組織を区別して測定する方法です。

YAM値で比較します。
YAMはyang adult meanの略で
若年標準偏差を基に比較しているのです。
26歳を100%としています。
この年齢がもっとも骨密度が高いとされているのです。

通常のDEXAでは、
・YAM値での比較
・同年代での比較

の数値がでてきます。

ただし骨強度=骨密度ではない


ただし、注意としては、骨強度=骨密度ではないことです。
つまり骨密度測定は、骨強度そのものをみているのではありません。

骨強度=骨密度+骨質
であります。

すなわち、骨密度と骨質をあわせたものが骨強度です。
骨密度は骨強度の70%程度を示しています。

よって骨を強くするためには骨密度の改善と、骨質の改善が望まれるわけです。

骨密度と骨質に関して


骨密度は建物でいう骨格です。
骨質は、建物でいう壁です。

骨強度をチェックする場合は、
骨密度で、骨の構造が鉄筋か、木造か?
骨質で、壁は藁ぶきか、ダンボールか、それとも漆喰か?
みたいな感覚ですね。

そもそも骨折したということは
その時点で骨量が低いか、骨質に問題があるわけです。

骨密度がよくても骨質が悪ければ、骨折してしまうのです。
骨構造は鉄筋ばりに強くても、壁はダンボール並みですよ、ということです。

2015年改訂版骨粗鬆症のガイドラインでは
脆弱性椎体骨折を発症してしまったら
その時点で骨粗鬆症と診断し、加療開始
です。

現在の骨粗鬆症性椎体骨折の治療目標


現在では骨粗鬆症性椎体骨折の治療の目標は
・急性期の疼痛コントロール、のみならず
・遺残変形の低減
・続発性の骨折の防止

ということが明確なものになりました。

適切に薬物治療を行うことは、
続発性の骨折予防に対して、非常に大切なことだと思います。

骨粗鬆症と診断した患者さんには
・3ヵ月ごとの骨代謝マーカーのチェック
・6ヵ月ごとのDEXAのチェック
をだいたいの目安として行って、続発性骨折を防ぐようがんばっております。

本日のまとめ


骨粗鬆症加療は本人にとって自覚症状が鋭敏に変化するわけではありませんので
非常に地味な感じで、ややもすればドロップアウトしてしまう患者さんもいるかもしれません。

しかし、そこは情熱で接するとしっかりフォローできると感じています。

薬剤の処方は近隣のクリニックにお願いして
検査、治療効果判定は当科で行い、その結果を開業医にフィードバックしていく、
というような骨粗鬆症地域連携パスを、少しずつですが広げていっています。

骨折での寝たきりがひとりでも減るように!
Stop at One !! make your first break your last !!







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