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はじめに


これまでも記事にしている通り、
わたしはMISt: Minimally invasive spine stabilization手技者です。

経皮的椎弓根スクリューに代表される手技ですが
初期のSEXTANT®(Medtronic)から導入しております。

現在はViper®2 (DePuy Synthes)をメインに使用し、
Longitude® (Medtronic)を主に外傷に用いています。

MIStの波はすさまじく、各社から非常に多くの製品が発売されて
乱戦混戦状態です。

どのメーカーがいいの?


そうなってくると、結局知りたいのは、
どのメーカーの製品がいいの?
ということなんですが、
スクリューの径や、抜け強度の強化のためのスクリューの工夫などに特徴がありますが、
各社拮抗状態で、優劣はありません。当たり前か。

どんな工夫を凝らしていても、基本的には中空スクリューです。

すなわち、下穴にガイドピンを通して、スクリューを挿入していくわけです。

各社で製品が異なってもその基本手技はかわりません。

これまでの実績や相性などでシステムを選ぶというところだと思います。

下穴作成の工夫がない?


これまでいろいろ使用してみて感じたのは、
スクリューやシステムには多くの工夫を凝らしているのに
下穴を作成するための過程にはまったく工夫がないということです。

下穴を作成するまでは何年も代わり映えすることのない穿刺針を透視下に打ち込んで、
さて、御社のシステム、どんなでしょうかね〜
みたいな感じだったわけです。

それでつい先日までは、日本エム・ディ・エムのIBIS®で使用した穿刺針を愛用していました。
・内筒の抜き差しが非常に容易であること
・片刃で軌道修正がしやすいこと
・ハンドルが小さいので互いに干渉しない
などが理由です。

すこし芯が弱くて、骨硬化が著しいときに曲がってしまうことがありますが
どの穿刺針にしたって一緒です。

京セラメディカルが持ってきたJ-probeに出会う


京セラメディカルのAssocia®を使用しました。
スクリュー長に短いサイズまでバリエーションがあるためです。
25mm長まであります。
具体的な症例はまた後日記事にしたいと思いますが、
そのときに下穴作成用のプローベ、J-probeを紹介されました。

001


使用してみてびっくり!
俊逸すぎます!!

ほんとうに使いやすい。

使用した特徴としては、
・先端は鋭で、根本にかけて太くなっており(taper状)、芯が強いので固い骨でも不安がない
・pedicleの皮質骨を抜いた感覚もよく伝わる
・taper状の形状であるため、硬い骨にうちこんだ後でもプローベを回転させるだけで容易にスポッとぬける。これまでの穿刺針はほんと、抜くのに苦労することが多々あった。
・固くて手で回転できないなら、大丈夫です!頑丈な把持器までついている、という親切ぶり
・ハンドルが小さいので、多椎間固定でもまったく干渉しない
・あと、ディスポでなく、reuseできるため経済的にもやさしい
・先程の回転用把持器を用いることで手への直接被爆をさけることができる
ただし頑丈すぎるため重い。
わたしは穿刺のときはコッヘルで把持しました。

ということで、非常に使いやすいですね。

J probeを検索すると、日本MIStの方に掲載されていました。
まさに自分の感想が特徴であります。

そういえば、MISt研究会か何かの研究会で慈恵の篠原先生が話されていたような・・・

その時はあまり心に響いていなかったのですが、
実際に使用してみると、いままでの穿刺にまつわる苦労のあれこれがこのプローベで解決されたな、、と。

本日のまとめ


アイデアってすごいです。

苦労したな、で終わるのではなく、
こう改良できるな、という発想に転換できることは素晴らしいことだと思います。

わたしも日々の苦労を綴るだけではなく、
新しい発想にもっていける人間になりたいものです(笑)

★★★
MIStに関わろうとしている脊椎外科医へ。手技に関する待望のバイブルが完成です。