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はじめに


胸腰椎移行部の不安定破裂骨折の治療についてはコンセンサスがなかなか得られず
controversialな領域です

治療方針についておおいに悩むのではないでしょうか?

・前方 or 後方 あるいは前方後方combine
・前方後方なら同時あるいは二期的
・それなら前方から?後方から?

・オープン vs MIS
・in situ vs 積極的なreduction

・椎体形成を追加するかどうか
・骨折椎体にもscrewを入れるか

・instrumentの範囲はshort? long?

・患者の骨質は?
・固定部の隣接椎体の状況は?
・骨折高位は?
・合併症、全身状態は?

など多くのことが加味されます。

これだけ多くのことを考えるので、正解なんてありませんよね。

考えられる限りの要因を熟考した上で、個々に合わせて対応していく
これしかありません。

その上でわたしは若年者で骨質の懸念がない症例は
Medtronic SOLERA; trauma instrument setとsagittal adjusting screwを用いた
short MIStによる整復固定を積極的に行っております。

Short vs long、骨折椎体にもスクリューを刺入するか


興味深い論文がありましたので紹介いたします。

McDonnell Mら
Biomechanical Analysis of Pedicle Screw Fixation for Thoracolumbar Burst Fractures.
Orthopedics. 2016; 39(3):e514-e518.

彼らは屍体標本を用いてL1骨折モデルを作成し、
1 above 1 belowのshort-segment pedicle screw fixationと
2 above 2 belowのlong-segment pedicle screw fixationとで
力学的な解析を行ないました。
また、骨折L1椎体にもスクリューを入れたshort PSFと、long PSFも作成し、
intact spineモデルとこれら4群で力学的な解析を行っています。

彼らの仮説は、
(1) SSPF constructs would be less stiff and have decreased
adjacent level ROM compared with LSPF constructs.
(2) introduction of pedicle screws into the fractured vertebral level
would increase the stiffness of either construct.
というものでした。

ただ結果としては、
・shortはintact spineモデルより弱い
・longはintact spineモデルより強い
・shortでもlongでも隣接椎間にかかる負荷に差はない
・骨折椎体にPSを刺入してもROM変化や強度に差はない
というものでした。

結果、この論文では骨粗鬆症など骨質が悪い症例に対してshortのPSFでは注意を促しています。

さらに骨折椎体にPSを刺入しても力学的な有意差が出ないとは、、、

わたしは以前、骨折椎体にPS刺入すると強度が高まるという論文を読んで
骨折椎体にもPSを刺入しておりました。

この論文ではデータとしては優位性が得られておりません。

モデルの性質上、軟部組織のことを無視していますが
それでもやはりアンカーは多いにこしたことはないと感じます。

そして1 above 1 belowでの加療は限られた症例にのみ適応するのがよさそうです。

本日のまとめ


不安定胸腰椎破裂骨折の治療は2016年の論文ですら一定の見解が得られておりません。
後方単独による加療にシフトしてきている印象はありますが
まだまだshortでの制動固定はchallengeを伴うということでしょう。

椎体形成の併用についてもコンセンサスが得られておりませんが
わたしは現在では
基本的には2 above 2 below、椎体形成併用、骨折椎体にもスクリューを刺入
これで経過をみていこうと思っています。

★★★
MIStに関わろうとしている脊椎外科医へ。手技に関する待望のバイブルが完成です。





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