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はじめに


わたしの臨床の仕事の関心事の一つに、骨粗鬆症加療があります。

骨粗鬆症によって脆弱性骨折をきたすわけですが、
胸腰椎移行部の椎体はもっとも骨折しやすい部位です。

症状は体動時痛で、動けなくなってしまい
骨折の回数によっては寝たきりになってしまいます。

さて本日の主題は、BKPに関してです。

BKPについて


骨粗鬆症性椎体骨折の治療の一つに
BKP; balloon kyphoplasty
というものがあります。
BKPを受ける方へ

この手技はメドトロニック社製品のKyphonというシステムを用いて行います。

よって、Kyphonシステムを用いた椎体形成術のことをBKPと呼んでおり、
手技そのものの一般名称ではないと理解しています。

BKPの安全性を高めるために


メドトロニック社はこの手技の本邦への導入にあたって、
安全性向上のために、手技を志す医師すべてに
・座学の受講と
・キャダバーでのトレーニング
を課していました。

技術認定された術者が増えてきて、
キャダバーのトレーニングは、認定病院での手術研修という形でも可能となりました。

このようにBKPは、丁寧に育まれたために重篤な合併症の発生は耳にしません。

わたしもBKPは有効な治療手段のひとつと思っています。

BKPの適用のタイミングについては
こちらのまとめをご参照ください。
BKP適用のタイミング

基本的には保存加療で骨折椎体を癒合せしめることを目指します。
しかし症例によってはBKPを選択することもあります。

疼痛改善の切れ味が素晴らしいために、適応を広げがちになることに、わたしは反対の立場です。

KMC Kyphoplasty Systemの市場導入


ところで、KMC Kyphoplasty Systemをご存知でしょうか?

噂になっていた、いわゆる第二のBKPです。
センチュリーメディカルの商標となります。

先日、パンフレットで案内をいただきました。

まず、率直な感想。
Kyphon systemにそっくり。
うり二つといっても過言ではないかも。

・施設基準
1.全身麻酔下およびX線透視下で経皮的後弯矯正術(Balloon kyphoplasty)を実施可能な施設。
2.合併症発生時には、速やかに、全身麻酔下での脊椎除圧再建術や、血管修復術などの緊急対応を行うことができる施設
3.本機器を使用した手術は、脊椎外科の専門知識を有し、本システムの特定のトレーニングを受けた医師のみが行うこと。

・バルーンサイズ;10mm, 4ml・15mm, 4ml・20mm, 6ml

・適応
BKPと異なり
・原発性骨粗鬆症による1椎体の急性期脊椎圧迫骨折で、十分な保存加療によっても疼痛が改善されない症例
のみです。
メタや骨髄腫は適応とはなりません。

本日のまとめ


公正かつ自由な競争は社会の発展につながることと思います。

これまで培ってきたメドトロニックBKPの安全性に、
このKMC kyphoplasty systemもあいのりできるのでしょうか!?