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はじめに


骨盤輪骨折は多発外傷を伴っていることが通常で、Damage controlが大切です。
低侵襲化により、治療の一助ができるようになってきたと感じております。

骨盤の荷重分散は基本的には、後方の仙椎、仙腸関節へと伝達されるので
骨盤輪損傷に対する治療は、後方骨盤輪の損傷の整復が重要と考えています。

ただし高エネルギー外傷による骨折がほとんどなので、
臀部に直接の挫傷があり、皮膚が汚染されていたり
あるいは骨盤出血のショックを回避すべく内腸骨動脈塞栓術後で、
軟部組織の血流低下が心配されたりします。

このような下地に広範囲の皮膚切開、筋群の展開を行い
instrumentationを施行しなくてはなりません。

従来のオープン法では、創部の離解、感染のリスクが高まることは容易に想像できます。

Damage controlの概念のなか、低侵襲手術が少しずつトライされており、
安定した成績が報告されてきています。

Bilateral iliac screws and transiliac rods fixationとは?


なかでも、神戸赤十字病院の伊藤康夫先生が報告されている
Bilateral iliac screws and transiliac rods fixation
は非常に俊逸な方法だと思います。

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われわれがfamiliarである、Pedicle screw systemを用いるのです。

手順としては
1.両腸骨上に小皮切を設ける
2.両腸骨翼に、片側2本ずつscrewを刺入する
3.左右のscrewをそれぞれロッドで連結する
4.ロッド間をトランスバースコネクターで締結する
というものです。

Multi-axial screwを用いれば締結は比較的容易です。

また、スクリューヘッドが皮膚に干渉することを防ぐために
スクリュー刺入点の腸骨翼を約2cm程度、骨ノミなどで切除しておくとよいです。

ロッドを筋層下からくぐらせることはそう困難には感じませんでした。

伊藤先生らは、適応はAO type BまたはType C1, C2としております。

AO type C3までなれば、腰仙椎ー腸骨固定であるGalveston法を用い、
腰仙椎はPPS固定、iliac screwとロッドの締結部のみ小切開で行う、
小皮切Galveston法を報告されておられ、こちらも俊逸です。

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本日のまとめ


骨盤骨折においても除圧が必要なときやしっかり矯正・整復が必要なときには
低侵襲法には限界があります。
まだまだ改善の余地があります。

先日、とあるメジャーなspinal instrumentationの業者の方に
PPSやCBTなどの低侵襲法がどのくらいの割合で行われているのかを尋ねたら
「ざっくりとした感覚では、MISt : openは3 : 7くらいだ」、とおっしゃっていました。

治療する疾患にもよるでしょうが、まだまだ今後も低侵襲法は発展していくものと思われます。

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