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はじめに


XLIFやOLIFに代表される低侵襲椎体前方アプローチでは
術中分節動脈からの出血の対策を十分に講じておく必要があります。

裂けた中枢端が腹部大動脈の方へ引き込まれると止血のしようがありません。

想像するだけで恐ろしいです。

出血の予防と止血のための準備についてまとめます。

出血を予防するために


出血を予防するために重要なことは、
・CTAなどによる分節動脈の解剖学的な走行を確認しておくこと
・ブレードや固定ピンが分節動脈を損傷しないようにすること
・無理な開創で分節動脈を裂かないように心がけること
などに十分に留意することだと思います。

しかし問題になるときというのは、
まったく予期せず思いがけずに損傷してしまった場合です。

出血を止血するために


江南厚生病院の金村先生に結紮のテクニックのビデオを見せていただきました。
まさに、これが一番の理想です。

難しいですが習得する必要があります。

呼外科の先生に指導賜り中ですが、とっさの出血に対応できる自信がありません。

そこでバイポーラー凝固システムを準備しております。
安易ではありますが、、、、

代表的なバイポーラー凝固システムを紹介します。

①ドイツ エルベERBE社、BiCision(バイシジョン)
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②メドトロニックコヴィディエンジャパン、ベッセルシーリングシステム、LigaSure(リガシュア)
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③ジョンソン・アンド・ジョンソン、エチコン、ハーモニックスカルペル
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外科や呼吸器外科、泌尿器科や婦人科などがあれば、何か、どれかは置いてあるのではないでしょうか?

本日のまとめ


ちなみにわたしは幸いまだこのような状況に陥ったことはありません。

椎体前方置換のときは、モノポーラー電気メスで薄く薄く側壁の軟部組織を展開し、
①出血したら通常のバイポーラーで止血。
②困難だったらモノポーラーで丁寧に凝固する。
この手順の繰り返しでなんとかコントロールできてきたからです。

ですが必ずしもこのように出来ないのが不慮の出血です。
その為の備えは必要でしょうし、テクニックの習得も大切だと思います。
(まだ自信ありません。すみません。)