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はじめに


眼科の先生から、ご自身のかかりつけの患者の間欠性跛行の相談を受けました。

腰痛と右下肢の間欠性跛行です。

腰部脊柱管狭窄症の診断で、近医整形外科で半年くらい内服加療されているのですが、
症状の改善なくむしろここ数ヵ月の症状は増悪傾向にあるそうで
当方に紹介いただきました。

初期症状は腰痛、臀部痛


間欠性の腰痛、右臀部痛が初期症状で、右下肢にまで間欠性跛行が悪化してきたそうです。

症状増悪時に要する休憩には前屈を要さない、とのことでした。

腰痛、臀部痛がひっかかりましたが、
立位でも安静にしていれば症状が改善するので
閉塞性動脈硬化症を考えます。

眼科の先生には糖尿病性網膜症で診療されております。

右膝窩動脈の触知が不良だったのでABIとCTを撮像いたしました。

案の定、ABIの低下を認めましたが
CTでの総腸骨動脈分岐部に石灰化が著明でした。

ちなみに脊柱管にはあまり強い狭窄を認めませんでした。

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紹介いただいた眼科の先生に、血管原生の間欠性跛行であることを伝え
血管外科にそのままコンサルトいたしました。

ABIは有用


閉塞性動脈硬化症の危険因子として糖尿病は最大の要素です。

ABIは、足関節上腕血圧比(ankle-brachial pressure index)のことです。
無侵襲検査ですので、糖尿病の既往がある場合は、積極的に検査するようにしております。

血管外科の先生には
ABIが0.9を下回るようならばコンサルトのタイミングでしょう
と指導いただきました。

血管エコー検査は外来では、なかなかわたしはオーダーしないのですが、
皆さまはいかがでしょうか?
間欠性跛行の診断、スクリーニングに有用なのかは、わたしは知識がありません。

余裕があるときに文献検索してみようと思います。

本日のまとめ


さて、医中誌で調べてみると、閉塞性動脈硬化症による腰痛を伴う間欠性跛行の症例報告がありました。

閉塞性動脈硬化症により腰痛及び間欠跛行を認めた1例
施 徳全(村瀬病院 整形外科), 塩川 靖夫, 近藤 哲士, 榊原 紀彦, 内田 淳正, 加藤 憲幸
整形外科.54巻1号 Page42-45(2003.01)
症例74歳男.腰痛間欠跛行を主訴とした.X線,CT,MRI所見より腰部脊柱管狭窄症と診断された.
間欠性の跛行の原因について検査した結果,塞性動脈硬化症(ASO)と診断され,ASOによる血管性腰痛と間欠跛行であると考えられたので経皮的血管拡張術を施行した.術後に腰痛と腰部の腫脹が軽快して間欠跛行も消失した.術後2年の現在,間欠跛行や腰痛の再発はなく経過良好である


腰痛メインといえども血管原生の要素はかならず鑑別にいれて診療にあたる必要があると改めて認識しました。

それから、CTに関しても血管の石灰化病変や動脈瘤などないか日頃から見る訓練が重要と思います。

★★★★★
星地先生の経験と知識が余すところなく収められております。教科書らしくない教科書で、非常にわかりやすい!そして、なにより面白いです。絶対に一読すべきテキストです。