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はじめに


頸椎後方固定術は
・外傷
・頸下がり
・腫瘍
・頸椎後方除圧後kyphosis
など多岐の病態に渡って行われている加療です。

もはや標準治療のひとつと言っても過言ではないと思います。

その際の中下位頸椎の後方固定法に関しては
・外側塊スクリュー(LMS: lateral mass screw)
・椎弓根スクリュー(PS: pedicle screw)
が候補に上がると思います。

今回紹介させていただきたい論文がございます。

わたしが勝手に敬愛している(笑)千葉大学、筑波大学より発信された論文です。

001


Paravertebral foramen screw(PVFS)法


新しい中下位頸椎後方固定の方法として
Paravertebral foramen screw(PVFS)
を提案されております。

002


キャダバーを用いて引き抜き強度を評価し、
PVFSは統計学的な有意差はなくともLMS以上の強度があることを導かれております。

さらに、さすがだな、と思うのは
LMSを刺入した側を、ドリルで穿破してLMSの骨折モデルを作って
そこにPVFSを刺入して再度引き抜き強度を測定されております。

これはLMを損傷してしまった場合にPVFSを刺入する状況を加味されているのです。

これをsalvage PVFSとしてLMSと比較し、同等の引き抜き強度が得られておりました。

いや〜、さすがだな、、、
まさに実臨床で知りたいことばかりです。

今回DISHに伴う頸椎損傷の治療を行った際にPVFSを刺入しました。
IMG_4799

サウンダーで内壁と終点で横突起孔を穿破していないことを確認し、刺入しました。
最終締めになるにつれてトルクが強くなっていくことを感じることができました。

実感としてLMSにまったく引けを取らない印象でした。

LMSのメリットは安全性にありますが、
・長さをとるために外側に向けすぎると外側塊を損傷してしまったり
・下から上に向けるために下位の切開が大きくなったり
・椎弓形成術を併用する際にスクリューヘッドが椎弓に当たってしまい、結局、椎弓切除になったり
といったところが難点です。

数例経験したあとくらいで、こだわりが強くなると遭遇するのではないでしょうか?

PVFSではこれらの問題を解決することができます。

PVFSの刺入方法


そしてこのスクリューを刺入するために、
刺入点の丁寧なシェーマ(スゴイ!!)と方向や深さに対する注意点が非常にわかりやすくまとめられております。
簡単にまとめますが、本論文を一読されることをオススメいたします。

003


・刺入点
高さは椎弓根レベル
外側塊中央の内側1mm程度

・刺入角度
内側20-25度程度内向き
海綿骨が最も固い椎弓根のentry zoneをめざす
(いわゆる須田先生のS pointと理解しました。)

・スクリュー長
術前に計測した横突起孔に達しない長さ
(0-1mmとあります)
だいたい10-14mmくらいになるでしょうか。

・スクリュー径
LMSでは打てない4.5mm径。太い!

しかし、φ4.5mmで10-14mmのスクリューってないんですよね。
もしかしてメドトロニック Vertexにしかないんでしょうか。
調査不足ですみません、、、

ちなみにわたしの写真はφ4.0-14mm(ジンマー)です。

※記事追記いたしました!
Depuy/SynthesのSynapseにあります!




本日のまとめ


手術は術前での評価が最重要です。
PVFSは中下位頸椎固定の選択肢のひとつとして覚えておくと有用と思いました。
とくにLMS損傷後のsalvageとして、skipして固定範囲を延長する前にトライしてみてもよいかもしれません。
このような論文を発信していきたいな〜

★★★
MIStに関わろうとしている脊椎外科医へ。手技に関する待望のバイブルが完成です。