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研修医の勉強会のあとでしょうか?
プリントを発見して、
これは!
と思い、備忘録として載せておこうと思いました!

検体採取に関する10の心得です。
出典は
米国感染症学会・米国微生物学会「感染症診断のための微生物検査利用ガイドライン2013」
とのことです。

以下、プリントから抜粋します。


1. 
質の悪い検体は、検査に用いてはならない(受け取らない)。
微生物検査担当者は、検体提出に関して臨床側と話し合う際には、責任を持って正しく対応する。

2.
医師は検査室に対し“発育した菌のすべて”を報告するように求めるべきではない。
見当違いな情報を与え、不正確な診断と治療につながる可能性がある。

3.
可能な限り“バックグラウンドノイズ”を避ける。
生体各所には正常細菌叢が存在しており、検体は容易に汚染されうる。
下気道、副鼻腔、創部、瘻孔などからの検体採取は注意深く行う。

4.
検査室は、ぬぐい液(スワブ)ではない検体を必要としている。
特に外科においては組織や吸引物、液体を提出する。
スワブは外部からの微生物を拾ってしまうこと、極端に少ない検体量(0.05mL)しか得られないこと、
繊維中にからまった細菌や真菌を培地に接種するのが難しいこと、数枚の培地に連続して接種しにくいことから、多くの検体で採取の方法とならない。
スワブが有効なのは鼻咽腔検体とウィルス性呼吸器感染症の場合である。

5.
検査室は手順書に従って作業を進めなければならない(法的要請から)。
こうした手順書は一般的に明文化されている。

6.
検体は抗菌薬を投与する前に採取すべきである
一旦抗菌薬を開始すると、細菌叢が変化し、培養の結果に影響が出てしまう。

7.
感受性検査は、培養で検出されたすべてに行うのではなく、臨床的意義が明らかな株に対して行うべきである。

8.
微生物検査の検査結果は、正確かつ重要な内容のもので、臨床的な関連性をもつものであること。

9.
技術的な面での微生物検査の方針は、検査室が決定するもので、臨床側の権限で決まるものではないが、両者の良いコミュニケーションとお互いを尊敬する気持ちが、協調・連携した方針につながる。

10.
検体のラペルは正確に記載すること。
詳細な部位や臨床的情報(例えば右人差し指の犬咬傷)がない、単なる「眼」「創部」いった記載では、結果の解釈に活きてこない。


これは深い10か条と感じました。

とくにスワブの扱いなど、まったく知らなかったし、意味ないことだったのでしょうね。。。

心得9は良いことが書いてありますね!!
良いコミュニケーションとお互いの尊敬、これはとても重要なことです!

★★★★★
星地先生の経験と知識が余すところなく収められております。教科書らしくない教科書で、非常にわかりやすい!そして、なにより面白いです。絶対に一読すべきテキストです。