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はじめに


近年の各社からの骨粗鬆症加療薬の登場はめざましいものがあります。
おかげで、骨粗鬆症加療の選択肢がますます増えており、
患者さんのニーズにあわせた治療計画を立てることで、
治療継続率の向上が期待されます。

最近のトピックとしては、
リクラスト
の登場でしょう。

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リクラストについて


リクラストは、2016年11月に発売で、ゾネドロン酸水和物、旭化成から発売されました。

これは、画像にあるように、
年に1回!!
の注射剤です。

ついに、年に一回がでたか!という感じです。

黙っていても使えませんので、新規薬剤採用の会議で提案しました。

どんなときに使うの?


まあ、予想されていたことではあるのですが、会議で重鎮に尋ねられました。

私見で申し訳ないのですが、、、、

「ほかに骨粗鬆症薬がいろいろあるのに、なんでわざわざ採用するのですか?
これまでの製剤ではダメなのですか?
例えば月に一回の注射がありますよね。
どんな患者さんに使うのですか?」

たしかに、治療しない貴方は、単純にそう思いますよね、、、

「脊椎診療で椎体骨折の治療を行っていると、
骨粗鬆症加療は避けては通れません。

実にさまざまな背景の患者さんがおられます。
そして治療に対するニーズは、ひとりひとり、一家族一家族で異なるのです。

骨吸収抑制剤の治療薬剤には経口と注射がありますが、

ビスフォスフォネートを内服するためには

起床時にコップ一杯(180mLくらい)の水またはぬるま湯を飲んで、
内服後に30分座位をとる、つまり横になってはいけない
そして、服用後30分間は水以外の飲食はせず、他の薬も飲まない


という細かいルールがあります。

だから経口薬を飲める患者さんと飲めない患者さんがいます。

そうなると注射剤ということになりますが、病院での注射になるため、
月に一回来れる人は問題ありませんが、
活動度の低下や家族の支援の力など、いろいろな事情で来れない人もいます。

そのような方にはいままでは、骨粗鬆症加療を諦めないといけない方もおられたわけです。

ですので、骨粗鬆症加療中の患者さんを全員、年に1回のこの製剤に変えたいのではなく、
今述べたようなこれまで骨粗鬆症加療の継続が難しい患者さんに対しても
しっかり加療を行う選択肢が増えた、ということです。

具体的には、
・服薬コンプライアンスが低下している患者さん(認知症や精神疾患など)
・経口薬が困難な患者さん
・活動が低下していてなかなか病院に来れない患者さん(家族は熱心)
などに対しても骨粗鬆症加療のマドが開いたという風に考えています。」

「ふ〜〜ん。」

まあ、治療に関わっていない人は、
なんでわざわざ年に一回の薬を入れなきゃいけないの?
となりますよね。。。

他にもリクラスト採用とは直接関係ありませんが、
テリパラチドの骨量増加効果は荷重の影響を受けるといいます。

一方でビスフォスフォネート製剤では荷重のかからない部位の骨密度もある程度上昇できるといいます。

だからあまり荷重ある生活をしない低活動の人には最初からビスがいいのかもしれません。

それにテリパラチドでは大腿骨の骨密度改善がやっぱり乏しいので
大腿骨骨折のリスクが高そうな弱い人には
テリパラチドがいいか最初からビスにいくかけっこう迷いがちです。

その辺りは答えが欲しいところです。

本日のまとめ


リクラストを採用してもらうにあたっての意見を述べました。
結果、無事に承認がおりて使用できるようになりました(嬉)。

しかし、エルシトニンが臨時採用に格下げされた模様、、、
わたしはエルシトニンはあまり使用していないので日々の臨床には困りませんが。

あと補足。
リクラスト使用には急性期反応の発熱に対する対策が重要です。
メーカーはアセトアミノフェンの内服を推奨しております。