高齢者の骨折で二次性副甲状腺機能亢進症はチェックする?
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はじめに
慢性的な腎機能障害では、二次性副甲状腺機能亢進症をきたすおそれがあります。
高齢者やNSAIDs長期処方患者では、ときに慢性腎機能障害を呈しているわけですが、この、二次性副甲状腺機能亢進症についてチェックしておいたほうがいいのかどうか、、、
まだ明確に答えを持ち合わせておりませんが、骨粗鬆症加療を行う以上、PTH-intact(基準値は 10~65 pg/ml)は測定しておいたほうがよいとおもっています。
わたしは、ほんと不勉強だな〜とつくづく思います。
腎機能障害と副甲状腺機能亢進症についてまとめます。
腎機能障害とPTH高値の関係
腎機能障害におちいると、
①尿中リンの排泄が低下する
②ビタミンD3を活性化できない
③活性化ビタミンD3が低下すると、腸管からのカルシウムの吸収が低下するので、血中カルシウム濃度が低下する
血中ではリンとカルシウムの積が定常になるよう保とうとする。
リンが高いことで結果、カルシウムを低くしようとする。
つまり、慢性腎不全の人は
・血中リンの上昇
・血中カルシウムの低下
の悪循環状態になるのですね。
そして、この状態が、副甲状腺ホルモン分泌の刺激となってしまいます。
Caを貯め込んでいる骨を溶かすわけです。
骨吸収が促進されるため、骨から溶け出したカルシウムとリンが全身の血管に蓄積、石灰化することで、動脈硬化などの心血管系障害の発症リスクが高まることがよく知られております。
骨質は当然もろくなるので、骨折のハイリスクとなってしまいます。
異
所性骨化をおこし関節痛や骨痛の原因ともなります。
二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎障害で頻度の高い合併症なのです。
そしてさらに悪循環におちいる
さらに、長期間刺激され続けた副甲状腺は、腫大し、やがて血液中のカルシウムの値に関係なくPTHが過剰に分泌される負のスパイラルにおちいります。
これが、二次性の副甲状腺機能亢進症というわけです。
本日のまとめ
慢性腎障害が、骨折のハイリスク群であることが理解されたと思います。
多発椎体骨折がある群ではもしかしたら(二次性)副甲状腺機能亢進状態の患者さんが多いかもしれないと思ってしまい、採血している次第です。
どのくらいの腎機能障害で測定したほうがよいのか、、、
どのくらいの期間罹患している人に測定したほうがいいのか、、、
椎体骨折がいくつあると危険なのか、、、
臨床研究で答えがほしい。。。答えがでればよいのですが。。。
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