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高齢者の多発椎体骨折の中に
多発性骨髄腫の症例が紛れ込んでいるのではないか??
と、常々チェックしております。

しかし、残念なことに、わたしの施設には、血液内科はありません。

多発性骨髄腫かどうかわからない椎体骨折の時点では、おそらく血液内科で受けてくれないのではないかと思っています。
よって、多発性骨髄腫を疑った場合は、自分で積極的に検査しています。

まず通常の採血に蛋白分画、Alb、Caを追加します。
そしてM蛋白が検出された場合、
・血液/尿免疫電気泳動
・IgG、A、M、D、Eの定量
・β2ミクログロブリン
を調べます。
重症度、予後予測の判定に用いられます。

血液内科で化学療法を行う場合には、PS: performance statusが重要らしいです。

0: まったく問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。
1: 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行う ことができる。例:軽い家事、事務作業
2: 歩行可能で、自分の身のまわりのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3: 限られた自分の身のまわりのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。
4: まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

骨折直後は、ほとんど動けないことが多いので、PSは3、4くらいです。
この状況で化学療法は困難と判断されるケースがあるそうで、そのような場合はBKPを適応して良いのではないかと感じています。

その際に、骨髄液を採取できますし、多発性骨髄腫に対する病的骨折に対してもしっかり疼痛の改善が得られます。

そしてPSの改善が得られたところで、血液内科へ紹介します。

今回、他院血液内科の返書の最後に

「加えて、前もって各種検査を施行していただいたため、当科での診察が非常にスムースに運びました。こちらについても御礼申し上げます。」

と付け加えてありました。

紹介元としてこんなにも心に染みる返書は初めてでした。