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たびたび当ブログで問題提起している高齢者の多発性骨髄腫についてです。

よほど骨折の様相が明らかに病的でない限り、MRIだけでは骨髄腫による病的骨折かどうかは診断がつきません。

かといって、採血検査でも、高タンパク血症高カルシウム血症がなければスルーされてしまう可能性があります。
なぜならば、単純な貧血や軽度の腎機能障害は、高齢者にはよくあり得ることだからです。

それでは、
どうやってスクリーニングしよう
ということになるのですが、
蛋白分画を測定する
今現在はわたしは、これに限ると思っています。
骨粗鬆症加療を行っている医師(整形外科医師)にとっては採血はごく一般的なことだとと思います。

椎体骨折の数が多いとき、骨折の圧壊が急激なとき、などはそのルーチンの採血に、蛋白分画を追加するだけで、スクリーニングになるのではないでしょうか。

蛋白分画測定で血中M蛋白が疑われた場合、10~15%が骨髄腫と診断されています。

また、良性M蛋白血症と診断されたものにおいても、10年間経過観察すると、約2割が多発性骨髄腫、マクログロブリン血症に進展する

とも言われております。

椎体骨折の患者さんで、高タンパク血症の患者あるいはA/G比の低下した患者さんや、椎体骨折の数が多いとき、骨折の圧壊が急激なとき、などには異常蛋白のスクリーニングとして結晶蛋白分画検査をしておく。

答えはありませんが、これが、いまのところの自分の診療方針です。







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