若年者の移行椎に伴う腰痛は、案外まれではないのかもしれない
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はじめに
機会があってBertolotti症候群について調べなおしてみました。
Bertolotti症候群は、わたしの理解ではまれな腰痛疾患のひとつでしたが、
調べてみると案外、稀ではないのかもしれません。
Bertolotti症候群とは
Bertolotti症候群とは過去記事にもまとめましたが、
1917年にBertolottiが提言、最尾側腰椎の肥大した横突起と仙骨間に関節を形成し、腰痛を来す症候群のことです。
これはすなわち、移行椎の定義が、
「最下位腰椎横突起と第1仙骨との関節形成もしくは癒合を来たしたもの」
ですので、移行椎体部分が原因で腰痛を伴うものはBertolotti症候群と呼ばれるわけです。
若年者のまれな腰痛、Bertolotti症候群。案外、まれではないのかもしれない。https://t.co/dXulIF1GJi
— 四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2018年3月30日
無症候であったものが、スポーツなどの負荷に伴って腰痛を発症するケースが多く、難治性のものには外科的治療が施行されることもあります。
疼痛の機序として、腰椎伸展運動による負荷が重なることで関節形成部の炎症反応を惹起し、疼痛が引き起こされると考えられています。
頻度は決して稀ではないのかも?!
頻度として、Quinlanらは、腰痛患者の腰仙椎MRIを調査し、769例中、35例(4.6%)にBertolotti症候群を認めたと報告しています。
そして、30歳以下の患者においては11.4%の頻度で、その発生頻度はな、なんと、腰椎分離症や腰椎すべり症よりも高かったとし、若年者の腰痛の鑑別診断に含めるべきであると述べています。
Quinlan J. F. et al : Bertolotti’s syndrome a cause of back pain in young people. JBJS Br. 88(9):1183-1186, 2006.
本邦では、認知度が低いのではないかと思われますが、頻度としてはけっして稀ではないかもしれません。
本日のまとめ
Bertolotti症候群は稀な腰痛としての理解でしたが、若年者の腰痛としてはけっして稀ではないかもしれません。
画像検索と積極的なブロックを考慮したいと思いました。
★★★★★
星地先生の経験と知識が余すところなく収められております。教科書らしくない教科書で、非常にわかりやすい!そして、なにより面白いです。絶対に一読すべきテキストです。
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