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はじめに


仙骨の脆弱性骨折について再考です。

この過去記事は2015年のもので、もうあの当時の雑感から3年を経過していると思うと感慨深いですね。
3年経って、この記事を書いたときと今とで施設が異なりますが、仙骨骨折が見逃される現状は何も変わっていないです、、、




基本的に不顕性骨折であることを理解すべし


脆弱性骨盤骨折は、基本的にはレントゲンではわからない不顕性骨折です。
よってレントゲン撮像のみでは診断がつきません。

なので近隣のクリニックでは基本的に見逃されています。

初診時症状は非常に多彩です。

腰痛,下肢痛,殿部痛,鼠径部痛, 大腿痛,歩行困難,歩行不能などなど、、、

これらの症状から腰椎疾患,大腿骨近位端骨折と間違われやすいことを指摘されています。

大腿骨近位部骨折はレントゲンでも否定されますが、
坐骨神経痛様の症状を呈すると腰椎疾患で説明されている患者さんが多いです。

腰椎はレントゲンですべり症があったり側弯や椎間板高狭小などがあると、診断に都合がいいのですね。

CTやMRIでも仙骨翼や恥骨を含めた骨盤レベルの撮像が必要


CTやMRIが有用ですが、かといって腰椎レベルのみの撮像ではしばしば見逃されます。
MRIが撮像されるときの多くが腰椎のMRIが施行され、仙骨部の異常が見逃されます。

仙骨翼、恥骨結合まで含んだ骨盤レベルで撮像しなければなりません。

実は、わたしの施設の救急部でも仙骨に対する意識が低すぎて、幾度となく見逃されています。

う〜〜ん、力不足を感じますね。

もっとディスカッションを重ね、コミュニケーションを図っていきたいと思います。

骨折は仙骨に集中する


スライドの作成には、吉峰 史博先生の論文が俊逸で、非常に参考になります。

001


53例の骨盤脆弱性骨折の解析です。
レントゲンで骨折が診断できたのはたった13例です。

わたし個人の感想では、この13症例でも非常に多い印象です。
なぜなら、わたしは脆弱性骨盤骨折をレントゲンで診断できたことはないからです(汗)。

頻度を見ますと、圧倒的に仙骨骨折が多いです。

そして、仙骨骨折は全例仙骨翼の骨折を含んでいます。

よって絶対に仙骨翼を見るべきなんですが、なかなか当施設の救急部は仙骨翼を見てくれません。。。

本日のまとめ


高齢者の腰痛,腰下肢痛例では腰椎疾患が原因と考えるのは、もちろん王道なんですが、救急要請されるような急激な発症で、かつ体動が困難な痛みなので、退行変性疾患のみならず、骨折も考慮したいいものです。

脆弱性骨盤骨折は非常に頻度が高いです。

症状が多彩で、症状から診断にたどり着かないことがあるため、常に念頭にいれて診療にあたる必要があります。

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