割と積極的にリクラストを処方するようになった
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はじめに
年に1回静脈注射でよい骨粗鬆症薬リクラストが販売されてもう2年に近くなりました。
はじめは、
・服薬コンプライアンスが低下している患者さん(認知症や精神疾患など)
・経口薬が困難な患者さん
・活動が低下していてなかなか病院に来れない患者さん(家族は熱心)
のような患者さんに対しても積極的に骨粗鬆症加療を行うための窓が開いたな
と考えていました。
リクラスト、1年ちかく経過して、PTH使用のスイッチにも割と使用するようになってきました。ほか使用にあたっての私見。https://t.co/BhpWjT9wEa
— 四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2018年7月22日
最近はむしろ抜歯のような侵襲的歯科治療の予定がないのであれば、割と積極的に処方するように変化してきました。
経口ビス剤は飲みにくい
経口ビス剤は内服にあたって、次のような細かいルールがあります。
・起床時にコップ一杯(180mLくらい)の水またはぬるま湯を飲んで、内服後に30分座位をとる
・つまり横になってはいけない
・そして、服用後30分間は水以外の飲食はせず、他の薬も飲まない
けっこう辛いですよね。飲みづらいですよね。
経口ビス剤は、
食事と同時に服用するとカルシウムなどと結合して体外に排泄されてしまう
からなんですよね。
だから朝一番の空腹時に内服するんです。
週に一回だから、あるいは4週に一回だから許して、ということになりますが、やっぱり飲めない患者さんがいます。
注射薬だと、そのような心配がありません。
経口薬のバイオアベイラビリティーが低すぎる
経口製剤では腸管からの吸収となりますが、バイオアベイラビリティが1%前後と、腸管からの吸収が低すぎます。
よって、個人間で大きく効果に差を生じる恐れが強い、ということになります。
その点も注射剤の優れているところです。
リクラストの急性期反応の対策
ほかにも心配されたリクラストの急性期反応は、アセリオを予防的に使用することであまり気にならなくなりました。
アセリオを使用することについては、腎機能に十分慎重にならなければなりませんが、、、
・腎排泄型なので尿細管機能に影響するおそれがある
・腎機能の低下に注意。とくにCcr 35mL/min未満には禁忌
・腎毒性を有する他剤との併用には十分注意する必要がある
骨粗鬆症治療は早期にドロップアウトし、再骨折してしまうことが大きな問題です。リクラストは年に1回の投与でよいのですが、急性期反応として発熱が問題になります。どのように対応したらよいのでしょうか。 #とぜんな脊椎外科医のブログ : https://t.co/1ccGJK7TSx
— 四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2018年8月1日
本日のまとめ
ビスフォスフォネート製剤に共通する特徴は、
・骨のハイドロキシアパタイトへの親和性が高く、骨中での半減期が長いこと
が挙げられます。
破骨細胞に直接作用し、アポトーシスを誘導することで骨吸収を抑制します。
エビデンスも高く、骨粗鬆症の治療薬としては4番バッターなので、しっかり薬剤を選択していかないといけないですね。
最近はリクラストを用いる機会が多くなってきたように思いました。
ときに、10月の骨粗鬆学会は長崎ですね!
これもまた楽しみです!!
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