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とぜん201903-.001

はじめに


アステラス製薬から発売されるイベニティ。

いよいよです。

骨粗鬆症治療薬で、一般名はロモソズマブです。

骨細胞で産生され、骨形成を抑制するスクレロスチンに対するヒト化モノクローナル抗体薬になります。

・骨形成促進
・骨吸収抑制

を兼ね揃えるすごい薬剤です。

使用の留意事項について、厚労省保険局からの通知が届きましたね!

アステラスさんがガッツポーズを取っている様が目に浮かぶようです。

通知内容についてまとめます。

イベニティ使用の留意事項


通知のキモは下記の如くです。

①重症の骨密度低下症例、骨折危険因子を有する症例をしっかり選別して使用せよ!

②12か月投与が終わったら、適切な骨粗鬆症治療薬を継続せよ!

そして、いちばん大事なこと。
これは抜粋します。

③本製剤を12か月投与した後に本製剤を再投与する場合、再投与開始にあたっては、次の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ア 骨折の危険性が高いと判断した理由
イ 本製剤を再投与するまでに投与した骨粗鬆症治療薬の品名


ということは、つまり、イベニティは、
いつでも!
何回でも!
再投与できる!

ということになるわけですね。

レセプトに上記ア、イをしっかり記載することが必須です。
もちろん、詳記判断者次第で、レセが完全に通るかどうかはわかりませんが、、、

しかし、縛りがないことはとてつもなくデカイ!!

これまでの骨形成薬剤は一生のうち24か月間だけ


イベニティの特徴は、なんといっても、
・骨形成促進
・骨吸収抑制

の両軸を兼ね揃えているところです。

これまで骨形成作用を有する薬剤はフォルテオやテリボンしかありませんでした。

これらPTH製剤は、
一生のうち投与できるのは24か月まで
という縛りがあるため、いったん治療が終了してしまった患者に骨形成作用のある薬剤投与はできません。

次の一手はもう骨吸収抑制剤しかありませんでした。

イベニティの今回の通知のおかげで、骨形成作用をめざした骨粗鬆症治療に大きな大きな光明がさしこむこととなりました!!

ということで、前回の記事、ロモソズマブの取扱が今後どうなるのか、わたし個人の感想で気になるところといえば、

①12ヶ月投与終了後、骨吸収抑制剤にスイッチしたあとに、再度、用いることができるのか?
もし、ある期間をおいて再開可能ならばもう、無敵。
→無敵状態を得ましたね。

②できないならば、次点の策として、テリパラチド製剤を使用できるのか?
→まったく問題ないですね!

テリパラチド→イベニティ→デノスマブやビスフォスフォネート製剤→イベニティ再投与
あるいは
イベニティ先行、もありかもしれません。

これは今後の臨床研究が待たれるところです。

③アステラス、今後の株価はどうなる?
笑笑

追記:
抗スクレロスチン抗体について勉強すると、テリパラチドよりイベニティを先行させる理由があまり見つからないですね。

まずは
テリパラ→→デノスマブ
あるいは
テリパラ→ロモソズマブ→デノスマブ
といったところでしょうか。

本日のまとめ


イベニティ、やってくれました!

骨粗鬆症加療の流れが大きく変わること間違いなしです。

われわれ臨床家がもっとも心配するのは、どれだけ再骨折を防げるか。
そして外科医として気になるのは、fusion surgeryの成績を向上させうるのか。

大きな治療選択肢を得たことはとてもありがたいことですね!

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