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とぜん201903-.001

はじめに


ブーメランケージはMIS-TLIFと非常に相性のよいケージで、習得しておきたいケージのひとつです。

LIFの手技が導入されてから、
・ケージと椎体終板の接地面積をいかにして増やすか
も椎体間固定術の安定した成績を得る上で重要な点になってきていると感じます。

ブーメランケージを前後に2個入れると、非常に大きい接地面積を得ることができます。

デュアルブーメランケージが熱い!


ブーメランケージの前後2個入れについて論文を紹介します。

J. Spine Res. 10:1422‒1425, 2019
「MIS-TLIF におけるブーメランケージ 2 個設置と その沈み込み発生の減少についての検証」
スクリーンショット 2019-11-24 9.10.26

中原誠之らは、手技をこれまでのブーメランケージ1個から2個に変更し、ケージの沈下について調査し、2個入れのほうが沈下が少ないことを報告しています。

手技について抜粋します。

1. 正中皮膚切開で進入
2. 片側の椎間関節は温存
3. 椎間腔進入側の椎間関節を全切除
4. 椎間腔を搔爬
5. 椎弓間スプレッダーで椎間腔を開大
6. ブーメラン型ケージを設置


ブーメラン型ケージの設置については、

・長径 32mm、前弯角6度を椎間腔前方へ設置する.
・1mm または 2mm ケージ高が低い2つ目のケージを椎間腔後方へ設置
・局所骨をケージ周囲へ移植する.

最後に経皮的椎弓根スクリューシステ ムを用い圧縮固定する。


ぜひ習得したい手技と思い、中原誠之先生に連絡をとったところ、快く指導に来ていただきました。

徹底的に終板処理を行う


終板の処理、とくに反対側の処理がとても重要だと感じました。

当然といえば当然なのですが、中原先生の手技を見て、まだまだ自分は甘いなあ、と感じました。

オフセットのついたコブエレベーターなどを用いて徹底的に終板軟骨を処理して、ヘラなどを用いて透視でしっかり反対側前方まで処理できることを確認した上でケージ挿入いたしました。

本日のまとめ


これまでは椎体間固定術の重要な操作は、
①適切な終板軟骨の処理
②十分な骨移植
にフォーカスされておりました。

XLIFやOLIFの手技が導入されてからは
③ケージと椎体終板の接地面積をいかにして増やすか
も椎体間固定術の安定した成績を得る上で重要な点になってきていると感じます。

間違っても③のケージの接地面積が最優先事項になることはありません。

最優先事項は先に上げた①②ですから、誤解ないように。。。

しかし、わたしの地域では、PLIFでの自家骨移植の手技料が査定されることが納得いかないです、、、

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