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抗血小板剤・抗凝固剤の休薬の指針がはっきりしない現状は危険

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はじめに


前例のない高齢化社会到来により
医療、介護、福祉領域が直面する危機は計り知れません。

整形脊椎診療は、この危機を好機に活かせる科であると思っています。

秋は学会シーズンで、多くの学会に参加して参りました。

高齢者治療に対するセッションは
シンポジウムで扱われたり大きな会場で行われたり
その関心の大きさが伺われます。

高齢者の定義は、種々の研究でそれぞれですが、
・リスクは従来と同様
・早期に介入することで、改善率は同様
などと超高齢者手術に対して肯定的な意見が多かったです。

ただし術前の全身状態の評価が充分になされる必要があることは論を待ちません。

ひとつの懸念として、高齢者は抗血小板剤、抗凝固剤の内服中の患者さんが非常に多いのです。
それについて、どのように周術期管理なされるべきか、という論点が弱いと感じました。

頚髄硬膜外血腫に遭遇

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脊椎疾患での数すくない救急疾患


特発性脊髄硬膜外血腫は、数すくない脊椎救急疾患の一つです。
救急診療をしていればいつか確実に遭遇すると思います。

比較的まれな疾患であるため、脳卒中と診断されることもあります。

症例提示


当院に救急搬送された症例は50代の男性です。
パソコンで作業をしている際に
突然激烈な頚部痛を自覚し、
急激に右上下肢の麻痺を呈したために救急搬送されました。

まさに脳卒中様のエピソードです。
椎骨脳底動脈の解離に伴う症状が強く疑われるのではないでしょうか。

頭蓋内病変検索のため、CT、MRIを施行されましたが
とくに異常を指摘されませんでした。

脳幹部虚血病変においては発症直後には画像上明らかにならないこともあるため
症状のみで梗塞治療が行われてしまう症例も報告されています。

この症例は頭蓋内検索が済んだあとに、すぐに頚椎を追加で検索され、診断がつきました。
血腫除去のための緊急手術の準備をしつつ
症状を観察すると数時間の経過で改善傾向がありました。
そのまま保存加療を選択し、完全回復を得ることができました。

MRIは経時的に撮像したMRIでも血腫は徐々に吸収され、完全になくなりました。

001

5日後
5日後

2ヶ月後
2ヶ月後


治療のうえでもっとも重要なこと


本症例のように、脊髄硬膜外血腫は早期診断、早期治療にて良好な予後が期待できる救急疾患です。
硬膜外血腫の多くは原因不明ですが、
最近では脊椎硬膜外ブロックや抗凝固剤の使用頻度が増したため、
増加傾向にあるとも指摘されています。

今回のように保存加療のみで改善する例もありますが、
・麻痺の程度がつよい(MMT 3レベル以上)
・膀胱直腸障害を呈している
・経過で増悪傾向にある
ような症例は緊急で血腫除去が必要です。

神経症状の改善は
治療開始前の神経症状
と、
治療開始までの時間
に依存するので
早期診断が重要です。
脊椎外疾患としての鑑別は脳卒中、大動脈解離などですが、
脳卒中様の症状を呈していても
・頚部痛を伴う症例
・感覚障害が脊髄パターン
であれば頚髄硬膜外血腫の可能性を念頭にいれて治療にあたる必要があると思います。

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