低侵襲腰椎後方椎体間固定術(MIS-T(P)LIF)を受ける方へ

腰椎の固定手術治療のひとつ、
低侵襲腰椎後方椎体間固定術(MIS-T(P)LIF)についてまとめました。

手術の目的


変形性腰椎症により椎間板や関節の機能不全が生じると、
腰椎の前後のずれ、左右のずれ、ゆがみをきたして
腰部の神経が圧迫されてしまいます。
すると、腰痛や下肢のしびれ、痛みなどで日常生活が困難となります。
保存加療によって症状の改善を試みるのですが、
どうしても改善が望めない場合は手術加療を行います。

頚椎椎弓形成術を受ける方へ

カテゴリ:
頚椎の手術治療のひとつ、
頚椎椎弓形成術についてまとめました。

手術の目的


頚椎症性脊髄症のため、
・上肢や下肢のしびれや痛みが出現している
・箸やボタンを扱うようなの指の細かい動作がしにくい
・歩行がうまくできなくて階段の昇り降りに手すりが必要
・さらには平地でも杖が必要
・排泄の調整が困難となっている
ような場合に、内服加療によって症状の改善を試みるのですが、
どうしても改善が望めない場合
あるいは徐々に悪化している場合
は手術加療を行います。

靭帯骨化症(頚椎後縦靭帯骨化症)と診断された方へ

カテゴリ:
頚髄症や胸髄症を発症しやすい靭帯骨化症についてまとめました。
とくに多い頚椎後縦靭帯骨化症についてです。

病態


脊柱管を構成している靭帯には後縦靭帯と黄色靱帯があります。
原因は明らかではありませんが、
遺伝的素因によりこれらの靭帯が骨化していく病態が靭帯骨化症です。
鍾乳洞のように徐々に骨化していくもので、
急激にみるみる骨化していくわけではありません。
よって症状は外傷のような衝撃が加わらないかぎり、
緩徐に進行していきます。
一般的にはアジア人に多く、女性よりは男性に多く、脊髄症発症時期は50歳前後に多いです。
肥満症や糖尿病を合併していることが多く、何らかの糖代謝異常の関与が指摘されています。
骨化のためにカルシウムの代謝異常の関与も指摘されています。
日本人の有病率は2~4%といわれていますが、全例症状を引き起こすわけではありません。
骨化した靭帯により、脊柱管が狭くなって脊髄が圧迫を受けると症状をきたします。
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圧迫性脊髄症(頚椎症性脊髄症)と診断された方へ

カテゴリ:
圧迫性脊髄症についてまとめました。
とくに頚椎症性脊髄症に関しての話になります。

病態


脊椎は老化や反復する負荷によって脊椎症を呈します。
脊椎症とは、椎間板の膨隆や椎間関節の変形・骨棘の形成、黄色靭帯の肥厚などの
変化が生じた状態です。
脊椎症をきたすと神経の通り道である脊柱管や椎間孔が狭くなっていきます。
狭窄によって脊髄や脊髄の枝の脊髄神経が圧迫されると症状を呈します。
頚椎症の場合では、
頸髄の圧迫症状を頚椎症性脊髄症、
脊髄神経の圧迫症状を頚椎症性神経根症
といいます。
頚椎症は無症状の方でも、60歳以上であればMRIで実に85%以上認めます。
そのうち8%では頸髄に圧迫所見があったと報告されており、

経皮的バルーン椎体後弯矯正術:BKP(balloon kyphoplasty)を受ける方へ

カテゴリ:
脊椎骨折の手術治療
経皮的バルーン椎体後弯矯正術:BKP(balloon kyphoplasty)についてまとめました。

手術の目的


脊椎椎体骨折のため硬性コルセットを用いて安静加療を行います。
加療しているにも関わらず、体動時の痛みが頑固に持続している場合や、
椎体圧潰が進行している場合に、手術加療を行います。
経皮的バルーン椎体後弯矯正術とは、レントゲン透視を見ながら行う低侵襲手術の一つです。
小さな筒を骨折した椎体に挿入して、風船を筒の中から通して骨折椎体内で膨らませます。
膨らんだ風船の力をもって骨折で変形した椎体の形を可能な範囲で整復します。
次いで風船をしぼませて、形成された空間に骨セメントを注入して、骨折した椎体を安定化させます。椎体が安定すると、寝返りや寝起きなどの痛みの大部分が改善します。

腰椎椎弓切除術を受ける方へ

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腰部脊柱管狭窄症の手術方法のひとつである腰椎椎弓切除術についてまとめました。

手術の目的


腰部管狭窄症のため神経が圧迫を受けており、腰痛や下肢のしびれ、痛みなどで
日常生活が困難となっている場合に、保存加療によって症状の改善を試みます。
しかし、どうしても改善が望めない場合には手術加療を行います。
腰椎椎弓切除術とは、
・脊柱管の背中側の屋根にあたる部分の骨を削って
変形肥厚した部分の骨をなめらかに平坦にする
・上下の骨をつなぐ黄色靭帯を切除する
そうすることによって、脊柱管のスペースを確保し、神経の圧迫を取る手術です。
圧迫が解除されると、神経の血流が整うので、
回復力が残っている神経の機能改善が期待されます。
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腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症とは

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腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症についてまとめました。

病態


腰椎の老化や反復する負荷によって、神経の通り道である脊柱管が狭くなっていきます。
具体的には
・椎体に骨の棘ができる
・椎間板が膨隆して飛び出してくる
・骨と骨をつなぐ接着剤の役目をする黄色靭帯が
伸びきったゴムのように膨らんでたくれこんだり、石灰化したりする
・骨と骨の関節が変形して分厚くなる
このような変化が起こって、腰椎脊柱管狭窄症に至ります。

脊髄造影(ミエログラフィー)検査を受ける方へ

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当院での脊髄造影(ミエログラフィー)検査についてのまとめです。

脊髄造影検査ならびに造影後CT検査を行います。検査は1泊2日の入院となります。
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カテゴリ:
8月末にブログを開設し5ヶ月が過ぎました。

総訪問者数が3000人を超えました。
応援くださり誠にありがとうございます。
励みになります。

ブログ開設のきっかけは自分の異動が決まったことです。
そして、いよいよ異動になり、脊椎診療の立ち上げがはじまりました。

・独りよがりにならないよう多くの方と交流したい
・普段頑張っている近況をこれまでの施設の親しい方々へ報告したい

この2つを軸に、引き続きpostしていきたいと思います。

そして、これからは、スタッフへの勉強会の欄をメインページに適宜アップしていく予定です。
このコーナーでは患者さん目線でなるべくやわらかい言葉で綴りたいと思っています。

今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

ほんとうに感謝感謝です。

後方MIStによるligamentotaxisの効果

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先日のTrauma Instrument Set®(Medtronic®)の続きです。

術直後のCT変化


矯正整復の後の骨片の術直後の状態です。
脊柱管内を占拠していた骨片が椎体に還納されて、
いい具合に脊柱管内面積を改善させることができました。
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術前のMRIにて一部硬膜外血腫があって、後縦靭帯の損傷が懸念されました。
矯正整復によるligamentotaxisが十分に効くかどうか心配でした。
そのため、二期的に除圧手術を追加する可能性もしっかり説明したうえでの手術になります。

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