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2016年12月

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はじめに


2003年に
Pamidronate (Aredia) and zoledronate (Zometa) induced avascular necrosis of the jaw:
a growing ediemic.

という論文でビスフォスフォネート製剤による治療をうけている骨粗鬆症患者やがん患者に
難治性の顎骨壊死が発生することが報告されました。

Bisphosphonate Related Osteonecrosis of the Jaw:
BRONJ

という名称で認知されております。

非常にまれであるとはいえ、難治性であるがゆえに
発生したら実臨床で非常に困ってしまいます。

わたしは幸い経験はありませんが、
今後症例が蓄積されていくに連れて避けては通れない事態が待っているかもしれません。

とある地域の会で、
「顎骨壊死が心配だからビスの内服を静注に変えた」とおっしゃられた方がおりました。
中には最新のデノスマブ治療は顎骨壊死の頻度が低いと思っている方もおられるようです。

胸腰椎破裂骨折の手術治療の方法には正解がない!!

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はじめに


胸腰椎移行部の不安定破裂骨折の治療についてはコンセンサスがなかなか得られず
controversialな領域です

治療方針についておおいに悩むのではないでしょうか?

・前方 or 後方 あるいは前方後方combine
・前方後方なら同時あるいは二期的
・それなら前方から?後方から?

・オープン vs MIS
・in situ vs 積極的なreduction

・椎体形成を追加するかどうか
・骨折椎体にもscrewを入れるか

・instrumentの範囲はshort? long?

・患者の骨質は?
・固定部の隣接椎体の状況は?
・骨折高位は?
・合併症、全身状態は?

など多くのことが加味されます。

これだけ多くのことを考えるので、正解なんてありませんよね。

考えられる限りの要因を熟考した上で、個々に合わせて対応していく
これしかありません。

その上でわたしは若年者で骨質の懸念がない症例は
Medtronic SOLERA; trauma instrument setとsagittal adjusting screwを用いた
short MIStによる整復固定を積極的に行っております。

強直性脊椎骨増殖症の後方アプローチは体位が重要

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はじめに


ASHの後方アプローチでは術中の体位が非常に重要です。

ASHとは、
強直性脊椎骨増殖症(ASH:ankylosing spinal hyperostosis)
靭帯が骨化して竹の節のように脊椎が連続して固まっていく病態です。

1950年にForestierにより報告されました。

耳鼻科領域ではForestier病として嚥下障害をきたす疾患として捉えられています。

教科書的な表現を用いると、
前縦靭帯を中心に脊柱靭帯のびまん性の連続した骨化を伴って脊椎が強直に至る病態
です。

基本的に,無症状で経過します.

加齢に伴う非炎症性変化で,高齢の男性に多く,
2型糖尿病や肥満症などの内分泌系疾患の関与や生活習慣との関連性が示唆されております。

昨今の高齢化社会を反映して確実に増加傾向にあります。

脊椎破裂骨折の後方法による低侵襲手術

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はじめに


脊椎破裂骨折の評価の一つに
LSC; load sharing classification
というものがあります。

①椎体の粉砕の程度 <30% 30-60% >60%
②骨片の転位の程度 <50% >50%
③後彎変形の変化の程度 ≦3° 4-9° ≧10°

で評価し、7点以上で椎体圧潰がかなり高度と判断し、
前方支柱再建が望ましいとするものです。

最近は手術のデバイスの進化により後方法単独で、破裂骨折の加療がトライされ始めています。

さらに経皮的椎弓根スクリューの進化により、低侵襲手術でも可能になりつつあります。

前方アプローチを否定するものではありません。
むしろ前方法について学ぶことは必須であることは強調しておきます。

Made in Japan!日本エム・ディ・エム、IBISスパイナルシステムについて

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はじめに


脊椎固定手術にも
最小侵襲手術;minimally invasive spinal stabilization:MISt
が開発され、もう10年はたつのではないでしょうか。

このMIStの流れは、本邦においても、ますます浸透しております。

追従するようにそれぞれの業者からMISt手技器材が開発され
次々と市場に投入されております。

バージョンはさらにアップデートを重ね、
初期に使用していた、Medtronic SEXTANTの頃から
飛躍的に進歩しております。

結果、競争が非常に激しいのですね。

各社の特徴、特性について知識が追いつきません(笑)。

ただ、この市場は外資のメーカー製品で独占されている現状でした。
つまり、小柄な日本人の体型にあわせて開発されているわけはありません。

骨粗鬆症マネージャーの資格をめざしませんか!?骨粗鬆症リエゾンサービス。

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はじめに


診療を通じて、毎日毎日実感しております。

なんと骨粗鬆症性椎体骨折の多いことか!

骨粗鬆症患者は1300万人を超えているとされております。
よって10人に1人くらいは骨粗鬆症状態にあるという計算になります。

骨折は、椎体骨折が最も多く、ほか、大腿骨近位部骨折や橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折が代表的な骨粗鬆症性による骨折部位です。

脊椎専門外来をしていると、一日に1人~2人くらい新規で椎体骨折を起こして来院されます。

ところが、たいていが初回骨折ではなく、既存骨折を認めます。
あるいは橈骨や大腿骨に骨折の既往があるのです。

どうして骨粗鬆症の治療をしていないの・・・
あるいは
どうして治療を途中でやめちゃったの・・・

そんな場面が非常に多く感じられます。

これは医療者側に問題があると思わざるを得ないのです。
常々感じているのは、医師の診療のみでは十分な骨粗鬆症治療が行き届かないこと。

そのひとつの改善策として、骨粗鬆症リエゾンサービスがあります。



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