XLIF導入の私見 初期症例の適応
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XLIF®eXtreme Lateral Interbody Fusion
を自分たちの施設に導入して、半年くらい経過しました。
2013年くらいから本邦でも行われている低侵襲手術です。
小切開で後腹膜腔にアプローチし、
神経モニタリング下に大腰筋経由で椎体に到達します。
ALLとPLLを保ちつつ、側方アプローチで非常に大きな椎体間cageを挿入します。
椎体間高を復元することができ、さらにligamentotaxisを期待できます。
その後、後方から経皮的に椎弓根スクリューを刺入するため
筋群に対する侵襲が非常に小さいです。
椎体間高の復元とligamentotaxisにより
coronal balanceやsagittal balanceの矯正にすぐれた威力を発揮します。
いきなり高度の後側弯症に導入するのはリスクがあるため、
導入にあたっての適応に関しての私見です。
腰部脊柱管狭窄症除圧術後の症例で、
経過で椎間高の低下やすべりなどの出現、悪化により
新たに椎間孔狭窄をきたして神経根性疼痛を生じた症例です。
これまではPLIFあるいはTLIFで対応しておりました。
再度後方の筋群にダメージを与えて、せっかく残っている関節を除去するわけです。
固定術なので関節を残す必要がないといえばそれまでですが、
後方筋群のダメージは遺残腰痛の原因でもあります。
とくに他施設での手術後の再手術では気を遣います。
XLIFでは後方の侵襲は経皮的PS刺入に留まります。
経大腰筋アプローチに伴う、大腿周囲の感覚障害や筋力低下など、
XLIF特有の症状もありますが、
前方にこれまでの後方アプローチと比較にならないくらい、大きなcageが入るので
椎体間高の整復に伴い椎間孔の狭窄も改善が得られます。
後方アプローチによる再手術より、関節や筋群に対する侵襲が少ないと判断し、
まず、このようなcaseでXLIFを導入しました。
初期の導入の症例の適応に迷っているならば
腰部脊柱管除圧術後の椎間孔狭窄のサルベージ手術
がXLILF導入のひとつの選択肢ではないでしょうか。
NuVasive®のcertificationが必要なところが難点ですが、、、
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