カテゴリ:
スポンサードリンク
下肢痛の責任高位を調べることができる神経根ブロックは、
診断と治療を兼ねた、非常に有用なブロック療法です。

直接的な効果は一時的ではありますが、その間痛みがブロックされ
間接的な効果で比較的長く効果を得られることもあります。

責任高位がわかるので
結果的に手術加療が必要になっても
患者さんも術者も改善するであろう安心感をもって手術するできます。

手技に関しては、一般的には透視室で行います。

Xpで確認しながら
まず、ブロック針を横突起にあてて
すこし引き戻して
だいたい、20°内側、20°尾側に針を傾けて
椎間孔を目指して刺入していきます。

001


操作の愛護性にもよるのでしょうが
ブロック針が神経根にあたると
時と場合に寄っては「ぎゃっ」とかいう類の悲鳴をあげることもありますよね(汗)

・再現痛を得るためにどこまでめざすか
・では浸潤麻酔で、はたして選択的といえるのか
など諸論はあるかと思います。

この手技だと、AP像の情報しかないため、微妙な深さの調整がきかず、
結果、神経根に強い刺激を与えてしまうことにつながると思います。

過去の学会でアンギオ室で神経根ブロックを行っている施設の発表がありました。

患者さんは動かずとも、C-armが自由に動いてくれます。
正面、側面、斜位に自在に動きます。
cranial、caudalにも自在で、前弯が強くても、後傾していても問題になりません。

これはいいな、思って、お願いして手技の見学に行って、教えていただきました。

退行変性はL4/5、L5/Sに多いので
必然的に4根のブロックや5根のブロックが多くなります。
5/Sの神経根ブロックはやはり難しいですよね。

アンギオ室でブロックを行うようになって
不成功例はいまのところはありません。
患者さんの腰椎のアライメントにあわせて、正面、側面、斜位をメモリー1、2、3としておき
適宜、1、2、3と振って確認しながら、針を進めています。
ただ再現痛を得ることを第一義とはせずに、
ブロック針が比較的適切な位置にあって、
指でブロック針をトントンと弾いても刺激が伝わらなければ
それ以上は針を積極的には進めないようにしています。
1~2cc程度の局麻注入で、痛みが消失すれば、責任神経根と考えています。

13


放射線科スタッフと協力しながら行っています。
最初は不慣れで手間でしたが、今は入室から退室まで15分程度で行っています。


★★★
初学者のブロック手技の習得に最適と思います。
イラストから手技の流れ、注射器やブロック針の持ち方まで掲載してあって非常にわかりやすいです。