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PCA pumpの記事でも話題にしましたが
やはり脊椎手術後は、創部に強い痛みを伴うことがしばしばです。

基本的にPCA pumpに加えて、
痛み止めを内服したり座薬を挿肛します。
疼痛が強いと痛み止めを継続して使用せざるを得ません。

その中で副作用で心配になるのは胃部症状で、
いわゆるNSAIDs潰瘍と言われるものです。
(NSAIDs: Non-steroidal anti-inflammatory drugs)



勤務初期は、術後鎮痛剤としてボルタレンSR® (37.5mg) がパスの処方でした。
胃潰瘍を生じてしまいました。

薬剤スタッフ、看護スタッフと話し合って、
①パスの薬剤はCOX-2 選択的阻害薬のセレコックス®200mgに変更。
②そして、胃十二指腸潰瘍の既往を徹底して把握。
③既往がある患者さんには胃粘膜保護剤ではなくPPIを処方する。
(PPI: proton pump inhibitor)
ことといたしました。

ネキシウム®20mgを処方しています。
おかげで大きなトラブルなく経過しています。

薬剤としては高価ですが、患者さんのことを考えれば、
決して高くはありません。

ちなみに
NSAIDs投与時の消化性潰瘍再発抑制
が適応になるのは

ネキシウム®(第一三共)
✕ 10mg 91.8円
◯ 20mg 160.1円
1日1回 

タケプロン®(武田)
◯ 15mg 89.3円,
✕ 30mg 155.7円

最近の薬剤では、
タケキャブ(武田)も適応を持っています。
◯10mg 160.10円 
✕20mg 240.2円 

ネキシウム、タケプロンは
PPI: proton pump inhibitor 
プロトンポンプに不可逆的に結合 
S-S結合

タケキャブは
P-CAB: potassium-competitive acid blocker
potassiumはカリウムですね。
プロトンポンプにおいてK+カリウムイオンの取り込みを競合的に阻害 
可逆的

胃酸での活性が不要な分、P-CABのほうは速効性があるようです。

ストップ!NSAIDs胃潰瘍!