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先日90歳の方に頚椎椎弓形成手術を行う機会を得ました。

症例提示


両手のしびれ、文字が書きにくい、両足のしびれ、平地でも支持が必要、というところで、
JOAでは9点です。
そしてここ3ヶ月くらいで悪化している自覚もあり
手術の適応はあるかと思います。

高齢なので、もしばらく内服で経過みてはどうかとも思いましたが、
①毎月健康診断を行っており、健康寿命には自信がある
②悪化して平地での歩行がいよいよ困難になってきた
③現役の社長で、まだまだ引退しない
④少なくともこれ以上悪くなりたくない
ということで、強い決意がございました。

手術法について


管理人は片開き法での手術が得手ですので、
今回も片開き法での椎弓形成を行いました。

挙上椎弓を安定化させるため、HA spacerを用いることが多いですが、
やはり高齢者だと、海綿骨が硬化しており、hingeに復元力が期待できませんでした。

HA spacerを糸で結びつけるために、硬化した骨を削らないといけませんが、
硬化した骨に穴を穿って、糸を通すのは、なかなか簡単にはいきません。
締結が強すぎると、糸で骨をcheeze cutしてしまう恐れもあります。

そこで、チタンプレートでスクリュー固定することにしました。
皮質から海綿骨まで硬化しているため、むしろスクリューは強力に効いて
かなりの安定感を得ることができました。

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本日のまとめ


高齢者でhingeの復元力が期待できない場合は、
挙上椎弓とチタンプレートでの固定が絶対的に安心だと痛感いたしました。

片開き式ではMedtronic®のCenter Pieceが使いやすいです。
アムテック®のラミノプラスティーバスケットというバスケット付きプレートがありますが、
残念ながら使用経験がありません。

使用経験あればおすすめ度をご教示ください。