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今日は、本当に疲れました。
こんな疲れ方はなかなか経験ありません。

異動先の施設で初めて腰椎の顕微鏡下除圧手術を行いました、、、

他科が使用している骨ノミに4,6,8mmの片刃、平刃ががあって、
「これがあれば腰椎手術できるね」なんて、と思っていたのですが、

自分の認識不足で、、、

柄が大きすぎて、顕微鏡下の術野にかぶってかぶって大変でした。46



骨ノミがうまいこと操作できないときのレスキューとして、
脳神経外科備品で非常に小さな最新のハンドピースのソノペットがあったし
Midas Rexのハイスピードドリルを各種取り寄せてありましたので
そちらに移行して手術してもよかったのですが、
来週は、今度は異動先初のPLIFを控えていることもあり、
骨採取のことを考えて、この施設にあるの骨ノミで完遂しようとおもったわけです。

操作をしたい視野を得るための今までの体に染み付いた顕微鏡の角度では、
柄がかぶって術野が見えません。
ノミの切れ味の変化、ノミの刃の厚さの違いなど違和感だらけで
感覚が役に立ちません。

これまで使用していた鋼製小物ってほんとに自分に馴染んでいたんだな、と。
想像以上に大変でした。

弘法筆を選ばず、、、
ご存知の通り、弘法大師は、平安時代初期の僧、空海のことで、真言宗の開祖です。
書の達人としても知られております。

能書家の弘法大師はどんな筆であっても立派に書くことから、
その道の名人や達人と呼ばれるような人は、
道具や材料のことをとやかく言わず、見事に使いこなすということ。
下手な者が道具や材料のせいにするのを戒めた言葉。

偉大な術者は、みなそれぞれにこだわりの道具やこだわりのprocedureがあって
それを私たちは学ぶというか、真似ぶ、わけです。

やっぱり弘法大師を目指すことはできません。

下手な術者といわれようと、手術をストレスなく安全に完遂するには
慣れた道具、挙動のわかる道具が一番です。。。

弘法も筆の誤り、、、
弘法大師のような筆の達人でも、時には書き損なうことがあるということ。
「弘法も筆の誤り」ともいう。
名人でない人や、自分のミスを弁護するために使うのは不適切。
誤用例
「あれくらいの凡ミスなら誰にでもある。弘法にも筆の誤りというから、気にせず今後の試合も全力でいこう」
「弘法にも筆の誤りというが、まさか私が計算ミスをするなんて自分でもびっくりだ」

弘法大師だろうがどんな達人も手術において、誤りをおこしてしまえば
一撃で医師人生はおしまいです。

まして弘法大師ではない自分が、道具一つで手術ミスを冒してしまったら、大問題です。

やっぱり鋼製小物、揃えよう。。。