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骨粗鬆症加療は非常に大事なトピックです。
奥が深くて、理解が難しい。。。

骨代謝マーカーの勉強です。

骨代謝マーカーは骨関連疾患を診断や、骨粗鬆症の治療経過を判定に用いられます。

骨形成マーカー:骨芽細胞が新しい骨を作っている様子を測るマーカー
骨吸収マーカー:破骨細胞が古い骨を壊している様子を測るマーカー

今回は
骨吸収マーカー TRACP-5b
についてまとめます。

TRACPについて


まず、TRACP-5bのACP。

ACPは、酸フォスファターゼ の略語です。
Acid phosphatase。

そして、TRは、Tartrate-resistant 酒石酸抵抗性。

知りませんよね。。。

酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ 略語TRACP
となるわけです。

5bについて


そして、5bです。
bがあるならaもあるの?

鋭いです。

5a(血小板と他の臓器)

5b(破骨細胞)
のアイソフォームがあります。

5bが破骨細胞に特有なのでTRACP-5bを測定するとよいのです。

骨吸収マーカーなので、
骨吸収抑制剤であるビスホスホネート、SERM、エストロゲン
の効果が判定できます。

もっと掘り下げていくと


・酸性加水分解酵素の一種
・糖蛋白
・分子量約3万5千
・破骨細胞に局在、骨吸収時に血中に漏出される
・骨基質中のコラーゲン分解を促進するとされる

疲れてきます。

なぜTRACP-5bなの?


ほかにもNTXやCTXなどペプチド結合架橋体なんてものもあるのですが、
なぜ、TRACP-5bなのでしょう?

それは、
・破骨細胞(骨吸収)に特異的
・日内変動が小さい
・腎機能に影響されない
・食事の影響が少ない
ことが特徴でメリットが多いですね。

これに対してNTXはコラーゲンの間接的な代謝産物です。
従来のマーカーは尿を検体とするので腎機能の影響や生理的変動が大きいものでした。

血液で測定できるようになりましたが、
腎機能の影響や生理的変動が大きいことは変わりないようです。

管理人はあまり理解のないままNTXを測定していた時期がありました(汗)。

判定のために


骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン2012年版には
判定の目安として

最小有意変化(MSC;minimum significant change)(%)

日差変動の平均値の2倍
12.4
としています。

キットメーカーの添付文書では16.2%ということです。

この値を目安にチェックするとよいでしょう。

まとめ


骨粗鬆症患者さんは、3000万人を超えており
今後の高齢化社会で、ますます問題になっていきます。

骨粗鬆症そのものは自覚症状に乏しく、よっぽど健康意識が高くないと
自分で骨をチェックすることはないと思います。

病院を受診するきっかけは、骨折です。
この時点で一次災害が起こっております。

背骨や橈骨、大腿骨が骨折をきたしやすい場所です。

本来は、骨折を来す前に加療を行いたいですよね。
啓蒙していくことが重要です。