このドレーンバッグ、髄液ですよ!
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はじめに
胸椎の黄色靭帯骨化症の手術を行いました。
硬膜の一部と骨化靭帯が完全に一体化していて境界がありません。
くも膜を残しながら剥離したのですが、残念!
最後にOYLが一番くっついているところで切除したら、
くも膜が破損して、髄液が漏出しました。
残った硬膜と軟部組織をアドソンセッシで把持してVCSアナストクリップを用いて縫合すると
髄液の漏出がおさまりました。
さらにネオベール®とボルヒール®を用いて硬膜形成を行いました。
ドレーンの性状
胸椎手術なので硬膜外血腫が心配です。
硬膜損傷をしましたが、閉鎖式の硬膜外ドレーンを入れました。
夕方までは血性の浸出液が少量ずつ引ける程度で、よしよしと思っておりました。
髄液に変わるようだったら院外コールをください、としつつ
夜に一度、病棟に電話して、性状を聞きました。
「血性ですので大丈夫です
時間10cc前後でそんなにたくさんは出ていません」と。
翌朝一番に回診してみると、、、
ドレーンバック、タップタップです(汗)
さらさらで透明の髄液がきっちり300cc超、ドレナージされていました。
「このドレーンバック、髄液ですよ!!」
う〜〜〜ん。
髄液のオーバードレナージの注意点
「髄液が陰圧の状況でたくさんドレナージされることで一番こわいことは、なんですか?」
この問いに答えられる看護師さんは皆無でした。
頭蓋内出血なんですね。
遠隔小脳出血とか硬膜下血腫とかの報告もありますが、多発性に頭蓋内に出血することもあります。
(この患者さんは幸い特別な症状なく元気です)
今後の課題
勉強会をするのが解決でしょうか?
・見てもわからない
・わからないことをほっておく
という状況は、勉強会をすれば解決する問題なのかどうかわかりませんが、、、
都度、医師が見にくる、これも一つの方法ですが、体力が無限にあるわけでは・・・
いずれにしても底上げが必要なのは間違いありません。
がんばってよいチームを作る。
これに限ります。
がんばるぞ〜
使い方がいまいちよくわからないPeing質問箱ですが、手術室看護師さんからご質問を頂きました。
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) August 15, 2019
C2 dome laminectomy時に硬膜損傷を起こしたあとの
・術中の処置
・術後の病棟Nsの指示
についてです。https://t.co/x4hRCgDyOU
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