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はじめに


以前、術後のNSAIDs潰瘍について記事に致しました。
(NSAIDs: Non-steroidal anti-inflammatory drugs)
ストップ!NSAIDs潰瘍

脊椎手術後は、創部に強い痛みを伴うことがしばしばです。
とくに脊椎固定術を行うと、術後の疼痛はそれなりのものを覚悟せねばなりません。

鎮痛薬を漫然に使用すると、胃部症状、いわゆるNSAIDs潰瘍が心配です。
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術後のNSAIDs潰瘍を減らすために


NSAIDs潰瘍を減らすため、単純に周術期のNSAIDsの使用を減らしたいです。

今の新しい施設では麻酔科の先生が術後PCA pumpを導入してくださり、
麻酔科の指示で、周術期の疼痛軽減を行ってくださいます。

非常に頼もしく、ありがたいです。

抗血小板剤や抗凝固薬は周術期でも極力休薬したくない


ところで抗血小板剤あるいは抗凝固薬については、
どう注意されているでしょうか?

脊椎手術を受ける患者さんも、昨今の高齢化社会の世相を反映し、
もはやまるで既往症のない患者さんなど皆無です。

脳梗塞症、狭心症などにより、あるいは心房細動などで
抗血小板剤や抗凝固薬を内服している方を、以前より多く感じませんか?

休薬には勇気が要ります。
休薬中の脳梗塞や心筋梗塞などの発症は約3%程度に起こりえるからです。

脊椎手術のために脳梗塞や心筋梗塞になってしまったら、
かえってADLが損なわれてしまいます。

極力休薬せずに、休薬が必要ならばヘパリンなどに置換するようにしています。

低容量アスピリン潰瘍について


今回経験したのは、低容量アスピリンとARBを持参で内服されていた患者さんです。
いわゆる抗胃潰瘍薬は服用されておりません。

ラクナ梗塞後に
・低容量アスピリン(バファリン81)
・ミカルロ(ARB/Ca拮抗剤)
をこれまで2年程度継続して内服しておりました。

胃・十二指腸潰瘍の既往はありません。

休薬せずに、腰椎2椎間除圧と1椎間固定を行いました。

NSAIDsは術後7日で頓用となり、リハビリも順調、食事も安定しておりましたが、
術後19日でタール便をきたしました。

術後14日目まで採血モニターしていましたが、
とくに貧血の様相なくBUNも問題ありませんでした。

今回の下血はまったく想定外でした、、、

持参薬のバファリンを単剤(ARB併用)のまま継続したのが悪かったのでしょうか。

持参薬に加えてH2RAやPPIを追加処方しておけばよかったのかもしれません。

幸いバイタル悪化なく経過しております。

今回のまとめ


入院して、持参薬以上に内服薬が増えることは、患者さんにも抵抗があるかもしれませんが
安全のためには、せめて入院中は抗胃潰瘍剤を内服してもらおうかな、と。

いままで、周術期のルーチンとしては、
術後0日,1日はガスター静注を行っています。
術後7日間は胃粘膜保護剤を服薬してもらっています。
胃、十二指腸潰瘍の既往がある方はNSAIDs潰瘍にならないよう
PPIとしています。

その後はとくに経過に問題なければオフとします。

今回の件で、
持参で抗血小板剤単剤だった場合は周術期はH2RAかPPIを処方することにしました。

周術期のトラブルをゼロにしたいです。