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はじめに


腰椎神経根ブロック
・疼痛治療
・高位診断
・MRI困難例
などに適応される基本手技の一つです。

透視室ではなく、血管造影室で行うメリットについてまとめました。

一般的な神経根ブロックの手技


腰椎神経根ブロックは、一般的には、透視室で行います。

患者さんを腹臥位とし、
メルクマールは、ターゲットにする神経根の通る椎間孔の上位の横突起です。

だいたい正中から外側4cm程度から穿刺し、横突起にいったんブロック針をあてて
すこし引き抜いて20°くらい内側に、20°くらい尾側にブロック針を傾けてすすめると
神経根にヒットします。

再現痛を得ることも診断の手がかりの一つですが
慎重にすすめないと、
「ぎゃあ」
と言われてしまい、苦痛として記憶に刻まれてしまいます。

そこでわたしは、血管造影室のC-armを用いてブロックするようにしています。

血管造影室のC-armを使用するメリット


血管造影室のC-armは非常にスグレモノで、

・画像はフラットパネルで非常に鮮明
・さらに拡大画像を得ることで細部まで評価できる
・頭尾側、斜位側面、あらゆる角度に調整できる

ということがメリットです。

また、たいていブロックを必要とする患者さんは、
疼痛がそれなりに強いので
患者さんを動かすことが困難です。

透視室では患者さんを動かさないといけませんが、
血管造影室ではC-armを任意に動かすことができて
患者さんにはなるべく安静な姿勢をとってもらえることもメリットです。

なんなら側臥位でも大丈夫です。

ブロック手技


後側方アプローチで、約45-60°くらいの角度で刺入します。
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透視で終板をそろえて、上関節突起をメルクマールに刺入します。
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上関節突起にあてて上外側に上関節突起をすべらせるようにすすめると
いいところに穿刺されます。
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①正面と②側面と③斜位をC-armにメモリーさせておき、
適宜①、②、③と都度ブロック針の先端の場所を確認しながらおこなうと
安心ですし、安全です。

再現痛を得るコツは、針を盲目的にすすめるのではなく、
針を止めて、指でトントンとブロック針の頭を刺激しながら確認するのがよいです。

わたしは人差し指のトントンと中指のトントンで刺激の強さを2段階に調整して
再現痛を確認しながら針を進めています。

本日のまとめ


神経根ブロックを行う症例は、
・5/Sのforaminal stenosisだったり
・固定後隣接椎間障害
が多いのではないでしょうか?

透視室で正面画像のみでブロックするのは結構至難のワザと思います。
5/Sの変性が強いL5根はなおのこと難しくないですか?

脳外科や循環器科が使用していない時間帯があるならば、
血管造影室のC-armを使い倒してみてはいかがでしょうか?