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はじめに


C-armがあれば
針が入るところはどこにでもアクセスできるんではないか
と思ってしまいます。

そしてその気持ちは現在、内視鏡手技へと向いています。

記事①腰椎神経根ブロック
記事②頚椎神経根ブロック

今回は記事③腰椎椎間板造影/ブロック編です。

手技を身につけておく意義


ブロック針を椎間板に穿刺するだけで椎間板の変性を促進させてしまうため
昨今では椎間板ブロックや椎間板造影の機会は激減しているのではないでしょうか?

しかし、この手技は
経皮的髄核摘出術
ひいては
PEDのposterolateral approach
へとつながります。

よって手技として通じておく必要があります。

透視の設定の仕方


まず透視合わせからです。

正面像では
椎間板下位の椎体の上終板を一直線上に合わせます。
前弯、後弯を考えて、透視の位置をcaudal、cranialに振りましょう。

側面像では
椎間板の上下終板を揃えて、椎体前壁、後壁を揃えます。
そうすると左右の椎間孔が揃うはずです。

続いて斜位像です。
正面で得たcranialあるいはcaudalの角度のまま斜位に振ります。
メルクマールは上関節突起です。

だいたい椎体の前方1/3から1/2くらいの位置にくるように調整します。

おそらく40-60°くらいの角度になるかと思います。
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手技の手順


続いて、手技の手順は
穿刺針を上関節突起に当てます。

斜位に合わせてまっすぐ穿刺すると、
椎間板に刺し直すときに針が立って(角度が浅くなって)正中に向かわないので
上関節突起に当てるときは斜位の角度よりすこし外側から内に向けて刺すようにします。

そこで上関節突起にあたって刺し直すときに
斜位の角度にあわせてまっすぐすすめるようにすれば
うまく正中の髄核に穿刺できます。

その際、斜位画像上では、safety triangleに点で入っているはずです。

safety triangleとは
上関節突起腹側
神経根背側
横突起下位椎体上縁
に囲まれた三角形です。
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いくらsafety triangleだからといって、神経根に直接穿刺しないとは限りません。
よって、線維輪にあたるまでは慎重に針を進めます。

その際に透視を正面、側面、斜位、の三方向で適宜確認しながらすすめると安全でしょう。

線維輪にあたって貫通するときに独特のブツッという感覚が得られます。

計画通りに針が進んでいるならば、椎間板の正中に針があるでしょう。
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本日のまとめ


椎間板造影や椎間板ブロック自体は
椎間板の変性促進の懸念から、実践する機会はあまりないかもしれません。
しかし経皮的髄核摘出術、PEDのposerolateral approachに通じる手技として
身につけておくとよいでしょう。