MIS-TLIFのブーメランケージの進歩
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はじめに
MISt; Minimally Invasive Spine Stabilization
最小侵襲脊椎安定術、と訳されることが多いです。
わたしはMISt手技者です。
手術するのであれば、
なんとかMIStでできないか
といつも考えながら作戦を練っています。
先日DePuy Synthesさんより
MIS-TLIFに適したブーメランケージ、T-PALをご案内頂きました。
自分のこれまでの手技を見直すいいきっかけになりました。
これまでのMIS-PLIF(TLIF)
わたしはMIS-PLIF初期例は、
正中切開にキャスパー開創器を用いて片側侵入両側除圧を行ない、
その後ケージを1個挿入しておりました。
360度固定ではありません。
しかし、非侵入側のfacetを温存しているため、
それなりに安定が得られてると思っていたのです。
ところが!!
自験例で骨癒合を検討してみたら、
ケージ1個は、両側から2個入れたときと比べて
あきらかにcage周囲のガスやclear zone、終板の骨嚢胞の発生が高く、
癒合がえられているかどうかの判定が困難でした。
(あくまでも自験例で、反論あるかもですが)
よって、それ以来、片側侵入両側除圧のときには
ケージが2個入るだけのスペースを確保するため
侵入側の上関節突起を切除し、
ケージを斜めと直に2個いれるようにしていました。
それで安定が得られるようになったと感じています。
ただ、そうなると骨移植をするだけのスペースがあまりないことに
不安を感じてしまいます。
360度固定でないために、椎間板腔は大切な骨移植の場所です。
もさっと骨移植したくてもケージを片側から2個いれると
スペースがなくなりジレンマです。
従来のブーメランケージはMISでは煩雑
以前からブーメランケージは気にはなっていたのですが、
MISt手技で行うMIS-PLIF(TLIF)は手術野の入り口が狭いため、
ケージやトライアルを挿入する際の操作がやや煩雑で、
適切な窓口がないと硬膜損傷や神経損傷のリスクにつながってしまいます。
MIS用に進化!!
今回ご案内いただいたT-PALは、
自分にとっては少し先祖帰りな印象も受けるケージ1個入れです。
しかしわたしの現在の方法に比べて、
・透視をみながらなるべく前方の固いrimの部分におくこと
・よってsinkingに対して安心感があること
・比較的大きな楔状のケージであり、前弯形成に有利であること
・前方にいれるので後方に十分な骨移植のスペースがあること
でメリットが多いように思います。
ブーメランケージは斜めから入るため、窓口がそれなりに必要です。
MIS法ではスペースが確保しにくいような印象でしたが
このデバイスはMISに対応できるようにデザインされており、
なかなかよさそうです。
改良により手元を大きく倒さなくても挿入できるようになっています。
Deputy Synthesにあるということは、おそらく他社にもあるんでしょうね〜
ってことで、よく使用するMedtronicさんに聞いたみました。
ありました(笑)
さすがです。
MILESTONE PEEK。
わたしがケージ2個入れにこだわるものだから、案内がおくれてしまったそうです(泣)
こちらもデモで触れてみましたが、なかなかよさそうです。
本日のまとめ
ブーメランケージはケージ1個入れのメリットと2個入れのメリットを併せ持つような印象です。
MIS手技でも、操作しやすくなってきたことで、
片側侵入の際のひとつの選択肢になりそうだな、と。
使用してみた感想をまた記事にしたいと思います。
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