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はじめに


腰痛症には、非特異性腰痛という概念があります。

定義では
脊椎に特異的な病理が見いだせない腰痛
のことをいいます。

腰痛の由来は、脊椎以外にも、
内臓にあったり、
血管にあったり、
神経にあったり、
しいては心因性のものだったり
いろいろ考えられております。

非特異性腰痛が80%?


で、一般診療においては、原因が見いだせない非特異性腰痛が
80%くらい、
というのがわたくしたちの定説でございました。

ところが!! 
山口大学 鈴木秀典先生らはそれはちょっと違う、としています。

「慢性腰痛(非特異性腰痛)」の治療 
脊椎脊髄 29(1): 35-41, 2016
にて、山口県における非特異性腰痛の実態調査を実に丁寧に行っております。

腰痛患者のうち非特異性腰痛と診断されていたもの72%は、診断が可能であり、
どうしても診断が難しいものが28%で、これが真の非特異性腰痛の割合である。
よって腰痛患者の78%は整形外科専門医が詳細な診察を行えば診断が可能である。

という結論を導き出されております。

す、素晴らしいの一言につきます。
そして自分の普段の診療に警笛を鳴らしてくださいました。

丁寧で詳細な診察に基づいた診断を


「8割は原因がない腰痛です」そんないい加減な診療ではいかん、と。

具体的には
・筋硬結
・one point tenderness(透視下、非透視下)
・Kemp sign
・Catching pain
・前屈時腰痛
・後屈時腰痛
・Bilateral SLR
・マッケンジー
・Gaenslen sign
・Patrick sing
・AKA
などの所見に

・Xpでの不安定性
・MRI所見
などを加え

・トリガーポイントブロック
・椎間関節ブロック
・椎間板ブロック
・仙腸関節ブロック
などを組み合わせて診断されております。

鑑別していく腰痛


それで、実に13種類の腰痛を診断していくのです。
1腰筋膜性 
2腰椎椎間関節性 
3腰椎椎間板性
4仙腸関節性
5圧迫骨折
6腫瘍性病変
7腰椎椎間板ヘルニア
8感染
9腰部脊柱管狭窄症
10強直性脊椎炎
11内科、泌尿器科、婦人科疾患
12社会心理的要因
13その他

本日のまとめ


腰痛は国民病で
有病率は男性1位、女性2位です。

みんな困っています。

この論文を参考にして、がんばっていきたいと思います。

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