カテゴリ:
スポンサードリンク
25

はじめに


ひとくちに腰痛といっても
はっきりとした画像上の責任病変を認めない原因不明のものを
非特異性腰痛”といいます。

しっかり定義を引用すると
脊椎に特異的な病理が見いだせない腰痛のことをいい、
実に腰痛の80%以上を占めている

とされます。

では、逆に特異的な腰痛をすべて挙げることができますか?

先日の記事で、
整形外科専門医が丁寧で詳細な診察をすれば約8割の腰痛は診断がつく
という論文を紹介しました。

診察ですべてを除外せずに
非特異性腰痛=80%以上
が一人歩きしているような印象があるのです。

自分も襟を正して診療すべきと感じます。

そんな感じで、本日はまれな横文字の腰痛①
Bertolotti症候群
について述べます。

移行椎症例に注意


まず、どう読んでいいのかわかりません(汗)。
日本語読みでは、ベルトロッティ、のようです。

移行椎症例に多いとされます。

最尾側の腰椎の横突起が肥大して、
仙骨翼あるいは腸骨と関節を形成している
ような症例に発生します。

腰痛、背部痛で日常生活レベルが低下してしまいます。

とくに思春期の若年者のスポーツとの関連が示唆されております。

特徴は伸展に伴う腰背部痛です。

確定診断は偽関節部のブロック


確定診断は、画像所見に加えて、
同部位つまり、偽関節部のブロックによる改善を得ることです。

透視下に正確に偽関節部をブロックします。

治療法


内服やコルセット加療、偽関節部のブロックで改善を試みますが、
かんばしくないときは手術を選択されることがあります。

偽関節部の荷重連結をとることを目的に、
肥大した横突起を切断し、除去します。

どこまで取ればいいのか、はあまり正確ではありません。

完全除去を目指さなくても椎体の荷重連結が断たれていれば、
少々外側の横突起が残っても痛みの改善が得られるようです。

横突起と仙骨翼や腸骨が偽関節化した症例に遭遇することもありますが
必ずしも痛みの原因になっている症例ばかりではないことにも注意が必要です。

本日のまとめ


耳慣れない、まれな腰痛の概念的な疾患
Bertolotti症候群についてまとめました。

ここから先は完全に私見です。
ご容赦ください。

思春期の思い出は、本当に大切です。

完全燃焼できましたか?
いや、出来ませんでした、という大人は、たいてい何かしら後悔の念があります。

自分もそうです。

他の世代を軽んじるわけではありませんが、
思春期の患者さんにとって、その時代は非常に貴重で
スポーツを休んで保存加療、ダメなら手術、そして後療法、などしているうちに
あっという間に仲間との共有している時間が減ってしまいます。

腰椎分離症もそうですが、若年者の治療の方法は本当に悩みますよね。。。

患者さん、ご両親、医療者、全員で時間をかけて話し合って、
絶対に後悔しない選択を、ということですが本当に難しい。