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先日、頚椎椎弓形成術を施行いたしました。

頚椎椎弓形成術には片開き法観音開き法があります。
頚椎椎弓形成術を受ける方へ

椎弓の片側を蝶番にして開く方法が片開き法で
椎弓の両側を蝶番にして開く方法が観音開き法です。

電気屋で冷蔵庫の扉をみたらわかると思います。

フレンチドアと片開きドアがありますよね。

フレンチドア:冷蔵庫の両側が蝶番のようにして開くドア(観音開き法)
片開きドア:片側が蝶番になって開くドア(片開き法)
です。

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わたしは師匠の影響で、片開き法を好んで用います。

よく片開き法と観音開き法の優劣を論じることがありますが
個人的には、
侵襲を抑えようというポリシーを持っていれば
得意な方法で行えばよいと思っています。

椎弓を持ち上げて支えるのに、以前はハイドロキシアパタイトのスペーサーを用いておりました。

片開き法は、観音開き法とくらべて
・両側のhingeとgatterを削るだけで、中央を削る手間が不要
・支点が三角形となって、安定が得られやすい
といったメリットがありますが、

一番の難点は、スペーサーの締結にあります。

椎弓側の締結は容易ですが、外側塊側にスペーサーを締結するために
糸を用いるのであれば、外側塊に糸を通すことが困難なのです。

よってその手間を省略する目的で、
hingeを強くしてhingeの復元力だけでスペーサーを挟み込む方法を習いました。

手術時間が著明に短縮され、外側塊の剥離も必要最低限で済むので
本当にいい方法だと思っております。

ただ、これは、この状態に到達するまでに多くの症例を経験したからこそ、可能な手技であって、
これから手術を始める後輩に、hingeの強さをダイアモンドバーで調整するということは
なかなか伝えにくい点があります。

結果、現在やめています。

それで今では、チタンプレートにてスクリューで締結するという方法に落ち着いています。

これなら誰にでも伝承しやすいです。

片開きではアムテック社のLaminoplasty Basketと、Medtronic社のCenter Piece
代表的なチタンプレートです。

Laminoplasty Basketは、先の図で示したとおり、
観音開き法でも片開き法でも用いることができるスグレモノです。

ですが、わたしはまだ使用の経験がないので、Center Pieceで落ち着いております。

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しっかりした固定が得られて、スクリューはセルフタップなので打ちやすいところがいいですね。

仕上がりも綺麗です。

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