骨粗鬆症加療に地域連携パスを作ってみよう
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はじめに
異動したてで患者数が少なくて、手術症例が少ないです。
しかしピンチとは感じておりません。
むしろこれまでの外来診療や手術症例ではない入院患者に対する考察に力が入っています。
自分の診療を見直すよいきっかけになっていることを実感できています。
そして、いま感じている課題は骨粗鬆症加療をどうするか、です。
骨粗鬆症加療を評価する
わたしの診療地域では、以外にも骨粗鬆症内服加療を受けている患者さんは多いように感じます。
外来患者のおくすり手帳を拝見すると、
整形外科診療所にかぎらず内科診療所でも
・ビスフォスフォネート製剤
・SERM
・Ca製剤
・活性型VitD
など、内服されている患者さんがけっこう多いです。
ところが骨密度検査をうけている患者さんは多くありません。
「先生がよかれと処方してくださるお薬だから、効果あるものと思い内服している」
という素直な患者さんが多いです。
せっかく内服加療しているならその効果について経過を評価していきませんか?
診療所と病院、双方の思いを一つに
おそらく処方医も、
DXAを受けに紹介状作って病院まで受診してもらって、
さらに結果を送ってもらって、
自分でそれを定期的にチェックする、
という過程をしたくても、それだけたくさんの時間を割けないのでしょう。
それならば連携パスを作って
お互いに治療効果を評価しあって、共有しあうことができればいいな
と思っているわけです。
骨代謝マーカーや骨密度、腰痛の変化、骨折発生などをパスにして
診療所と病院の双方でチェックしあうことができれば、
きっと地域の健康に貢献できるに違いない、と。
本日のまとめ
わたしは椎体骨折の手術加療を行っており、
PTHを処方している患者さんも多くフォローしています。
・連携パスを作って、地域の整形外科診療所のみならず
内科診療所の先生方とも一緒に治療できないか。
・病院と診療所が一体となって地域全体を治療できないか。
・そして、従来の、骨折したから治療開始、ではなくて
さらに一歩踏み込んで、骨折を予防するために治療できないか。
ということで、骨粗鬆症加療の連携パスを作ってみようと思います。
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コメント
コメント一覧 (2)
はじめまして。
場末の一介の医師にあたたかい言葉をかけていただき誠に有難うございます。
恐縮でございます。むしろご指導頂きたいくらいでございます。
脊柱変形を矯正する手術で貢献することももちろん大切ですが、
いまの自分の立ち位置においては、
いかに骨粗鬆症性椎体骨折を未然に防ぐか、
あるいは連鎖をどう封じるか、
の方向で地域に貢献できると思っております。
今後ともご指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
いつも楽しく読ませていただいております。
先生の探究心、誠実さにはいつも感心させられます。
私も、他地域の単科病院から移ってきて感じるのは骨粗鬆症性椎体骨折の多さで、地域連携の必要性を強く感じており、まさに今メーカーとも相談しながら地域連携パス、さらには骨粗鬆症リエゾンサービスの院内立ち上げを行っているところです。
特に重要なのは情報共有と感じておりまして、電カルになった弊害としてかえってそれが困難になっているような気がします。将来的にはIoTで多施設での情報共有が可能になるのでしょうが、情報共有の仕方に頭を悩ませています。
もし、いいアイデアございましたらご教示頂けますと幸いです。
長文失礼いたしました。